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Hitachi

株式会社 日立産機システムモータ

  • ※出力0.75kW以上は別シリーズにてご案内しております。

1.省エネ環境

地球環境保全

「地球温暖化防止」「オゾン層の保護」「環境保全」など、世の中をにぎわす言葉を突き詰めていくと、たどり着くのが「省エネルギー」という言葉です。
具体的には、エネルギー管理の強化・適正化・省エネルギーに関する技術・設備の導入などを通じて、エネルギーの消費を削減する事です。
1997年12月に開かれた「地球温暖化防止京都会議」で、先進国の温暖化ガス削減目標が決められました。日本は、2010年をメドに1990年比で平均6%削減する目標が定められ、これまで以上に踏み込んだ省エネ対策が早急に求められています。

省エネ法改正

地球温暖化防止策の重要性が大きくクローズアップされ、政府を始めとして様々な施策が検討・実施されています。この中で、改めて産業部門における省エネルギーの推進が課題とされ、政府施策として「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
(以下、省エネ法)が一部改正され1999年4月1日から施行され、同法の運用強化が図られております。
エネルギーの使用量の多い「第一種エネルギー管理指定工場」に対しては、省エネの取り組みに関する将来計画を作成して、国への提出を義務づけられています。エネルギー消費が中規模以上の工場・事業所を「第二種エネルギー指定工場」として新たに設定し、エネルギー管理員の選任・定期講習、エネルギーの使用状況の記録が義務づけられることになりました。

2.モータの高効率化への動き

モータの電力使用状況

現在、平均的な工場で使用される電力量の約70%が、モータを通して消費されていると言われております。そのためエネルギーの安定確保と経費の削減、さらに環境保全の観点から、モータの省エネルギーに大きな期待が寄せられています。
そこで各産業界から注目されているのが、省エネルギー性に優れた高効率モータです。

国内における高効率化への動き

  1. 「日本電機工業会技術資料137号」の基準値を基にした高効率モータが市場に出ており、改正省エネ法の中での省エネ対策機器としても推奨されています。
  2. 高効率モータ普及促進のために、
    2000年7月20日高効率モータのJISが制定されました。
    [高効率低圧三相かご形誘導電動機 JIS C4212]

    今後は、JISに基づいて製作されたものが、高効率モータの国内標準として市場に出ていきます。

JISの概要

  1. 適用範囲は全閉型及び保護型の0.2kW〜160kW 2・4・6極です。
  2. 効率値は200V 50Hz 及び 220V 60Hz が基準として規定されました。
  3. 効率試験は実負荷法によります。(従来の製品は円線図法)
  4. モータの枠番号適用は標準モータと同一とし、取付の互換性を持たせました。
  5. 全閉型の効率値を下表に示します。
全閉型電動機の効率値(JIS C4212) EPAct
定格
出力
(kW)
極数 2極 4極 6極 4極
周波数 50Hz 60Hz 50Hz 60Hz 50Hz 60Hz 60Hz
電圧 200V
又は400V
220V
又は440V
200V
又は400V
220V
又は440V
200V
又は400V
220V
又は440V
230V
又は460V
0.2 70.0 71.0 72.0 74.0
0.4 76.0 77.0 76.0 78.0 73.0 76.0
0.75 77.5 78.5 80.5 82.5 78.5 80.0 82.5
1.5 83.0 84.0 82.5 84.0 83.0 84.5 84.0
2.2 84.5 85.5 85.5 87.0 84.5 86.0 87.5
3.7 87.0 87.5 86.0 87.5 86.0 87.0 87.5
5.5 88.0 88.5 88.5 89.5 88.0 89.0 89.5
7.5 88.5 89.0 88.5 89.5 88.5 89.5 89.5
11 90.0 90.2 90.2 91.0 89.5 90.2 91.0
15 90.0 90.2 90.6 91.0 89.5 90.2 91.0
18.5 90.6 91.0 917 92.4 91.0 91.7 92.4
22 91.0 91.0 91.7 92.4 91.0 91.7 92.4
30 91.4 91.7 92.4 93.0 91.7 92.4 93.0
37 92.1 92.4 92.4 93.0 91.7 92.4 93.0
45 92.4 92.7 92.7 93.0 92.4 93.0 93.6
55 92.7 93.0 93.3 93.6 93.3 93.6 94.1
75 93.6 93.6 94.1 94.5 93.6 94.1 94.5
90 94.3 94.5 94.1 94.5 93.9 94.1 94.5
110 94.3 94.5 94.1 94.5 94.5 95.0 95.0
132 94.8 95.0 94.5 95.0 94.5 95.0 95.0
160 94.8 95.0 94.8 95.0 94.5 95.0 95.0
*1
200V 60Hzの効率値は規定されていませんが、一般的に220V 60Hzに比べ若干低下します。
*2
EPAct高効率の特性算定法は、IEEE std 112 MethodB によります。

海外における高効率化への動き

特に米国においてEP法(Energy Policy Act of 1992)が、1997年10月24日に施行され、エネルギー効率の低い産業用モータは販売できなくなりました。

EP法の概要

  1. モータ単体及びモータが組み込まれた製品を米国で販売する場合、定められたエネルギー効率基準値を満たすこと。
  2. モータの製造業者は、モータの銘板にエネルギー効率値を表示する。
  3. 米国が指定した認証機関により認証を受けることが義務付けられる。(現在猶予期間中。詳細は別途)
  4. 定められたエネルギー効率基準値を満たさない場合、1日当たり$110の罰金が科せられる。(個数と市場に出ていた期間により算出される。)
  5. 対象モータは、下記(1)〜(7)項の全てに該当するもの。
    (1) 出力:1〜200馬力
    (2) 電圧:230V又は460V
    (電動機銘板記載の定格電圧の±10%以内において、230V又は460Vで使用可能なものは対象となる)
    (3) 多相交流電動機 60Hz
    (4) NEMA汎用Tフレーム及びIEC同等寸法品
    (5) 脚取付け(脚取付けフランジを含む)
    (6) 単速度の誘導電動機
    (7) NEMAデザインA又はB特性(IECデザイン・Nを含む)