私たち日立産機システムは、さまざまな環境問題に向き合い、製品の高性能化のみならず、環境性能の向上に取り組んでいます。そして新たに、環境に優しいエステル油を採用した次世代の変圧器として、環境調和型変圧器「Superアモルファス奏シリーズ」を開発しました。
Superアモルファス奏の絶縁油には、自然界の微生物によって分解される性質(生分解性)を持つ大豆油が使用されています。そのため、災害などで漏油が発生しても、土壌や河川、海洋への汚染の懸念が少なく、一般的な変圧器で使用される鉱油に比べて、高い安全性を有しています。また、大豆油の焼却や処理により二酸化炭素を排出しますが、原料となる大豆が成長過程の光合成で二酸化炭素を吸収しているため、ライフサイクルの中で排出と吸収を相殺すること(カーボンニュートラル)ができ、環境負荷の低減に貢献します。
大豆油は引火点が320℃と従来の鉱油に比べ高く、消防法の分類では指定可燃物であり、危険物ではありません。
そのため、保管時の条件が緩和される場合があります。
また、Superアモルファス奏には、FM Global社*1が制定する認証規格や、UL*2認証に対応した防災性に優れた大豆油を採用しています。
Superアモルファス奏は、電気室や盤内の設置スペースの有効活用にも貢献します。
高温でも使用可能な大豆油と耐熱紙を適切に組み合わせたセミハイブリッド絶縁により、変圧器の耐熱クラスを引き上げることで、従来のトップランナー変圧器と比べて据付面積を最大で18%縮小化*しました。またリプレイス対象となる高経年変圧器との比較では据付面積を31%もの縮小化*を実現しています。
工場やビルなどの幅広い分野で使用されている配電用変圧器は、経済産業省より特定機器に指定され、省エネルギー化への対応が求められています。Superアモルファス奏は、鉄心にアモルファス合金を採用しているため、無負荷損を低減することができ、トップランナー基準のエネルギー消費効率に対して15%以上の省エネルギー化を実現します。
通常の金属や合金では、原子が規則的に配列した結晶構造を持っているのに対し、アモルファス合金はランダムな原子配列の構造を持っています。変圧器の鉄心に使った場合には、ヒステリシス損*1と渦電流損*2が極めて少なくなり、電力変換のロスを抑えることができます。
アモルファス合金概念図
計算例:電気料金(千円/年)=(無負荷損(W)+負荷損(W)×(等価負荷率)2)/1,000×365(日)×24(h)×単位電力量料金(17.3円/kWh)/1,000
相数 | 定格電圧(V) | 定格容量 (kVA) |
周波数 (Hz) |
結線 | 適用規格 | |
---|---|---|---|---|---|---|
一次電圧 | 二次電圧 | |||||
三相 | F6750-R6600- F6450-F6300-6150 |
210 | 300, 500 | 50 または 60 |
![]() |
JEC 2200-2014 JEM 1500-2014 IEC60076-14 準用 |
750, 1000 | ![]() |
|||||
420-242 | 300, 500 | 50 | ![]() |
JEC 2200-2014 JEM 1500-2014 |
||
440-254 | 60 | |||||
420-242 | 750, 1000 | 50 | JEC 2200-2014 JEM 1500-2014 IEC60076-14 準用 |
|||
440-254 | 60 |
上記以外の仕様は別途お問い合わせください。