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Hitachi

株式会社 日立産機システムインバータ

トリップモニタ方法

トリップモニタ方法

(注)表示される数値(出力周波数など)は、トリップ発生時のインバータ状態であり、モータの見かけ上の動作とは異なります。

(例)PID制御を使用している場合や、周波数指令をアナログ信号(電圧/電流)で入力している場合などでは、見かけ上、モータが一定速運転をしていても、アナログ信号のふらつきなどによって、インバータが細かく加減速状態を繰り返している場合があります。この様なとき、見かけ上の動作とトリップ時のインバータの状態表示が異なる場合があります。

エラーコード

名称 内容 エラーコード
過電流エラー モータが拘束されたり、急加減速するとインバータに大きな電流が流れ、故障の原因となります。
このため、インバータ定格出力電流(標準負荷定格)の約220%(設定変更可)で保護回路が動作し、トリップします。
E001
モータ過負荷エラー*1 インバータの出力電流を監視して、モータの過負荷を内蔵の電子サーマルが検知した場合にトリップします。 E005
制動抵抗器過負荷エラー BRD回路の使用率が、設定した使用率を超えた場合にトリップします。 E006
過電圧エラー P-N間直流電圧が高くなり過ぎると故障の原因となります。このため、モータからの回生エネルギーや受電電圧の上昇によって、P-N間直流電圧が約410VDC(200V級)/約820VDC(400V級)以上になるとトリップします。 E007
メモリエラー*2 外来ノイズや温度の異常上昇などが原因で、内蔵している記憶素子に異常が発生した時にトリップします。(場合によってはCPUエラーとなります。) E008
不足電圧エラー*3 インバータ受電電圧が下がると、制御回路が正常に機能しなくなるため、受電電圧が規定電圧以下になると出力遮断します。
P-N間直流電圧で約160VDC(200V級)/約320VDC(400V級)以下になるとトリップします。
E009
電流検出器エラー 電流検出器に異常が発生した時、トリップします。 E010
CPUエラー*4 CPUに誤動作や異常が発生した時にトリップします。(記憶素子から異常値を読み出した場合でもCPUエラーとなることがあります。) E011
外部トリップエラー 外部トリップ(EXT)に設定した入力端子がONした時にトリップします。 E012
USPエラー インバータに運転信号が入力されたままの状態で電源が投入されるとトリップします。(USP機能選択時) E013
地絡エラー*4 電源投入時、インバータの出力部とモータ間での地絡を検出するとトリップします。
(モータ残留電圧が残っている場合、本機能は動作しません。)
E014
受電過電圧エラー インバータが停止している時に、受電電圧の過電圧状態が100秒間継続するとトリップします。
受電過電圧検出値はP-N間直流電圧が約390VDC(200V級)/780VDC(400V級)(設定変更可)です。(受電過電圧機能選択時)
E015
瞬時停電エラー 15ms以上の瞬時停電により不足電圧が発生した時、出力を遮断し復電後、トリップします。
遮断時間が長い場合、通常電源遮断と見なします。尚、再始動選択時は運転指令が残っている時に、復電後、再始動します。
E016
温度検出器エラー フィン温度検出系が断線等の異常と判断した場合にトリップします。 E019
冷却ファン回転数低下
温度エラー
温度エラー発生時、冷却ファンの回転数低下を検出していた場合、この表示となります。 E020
温度エラー 周囲温度が高いなどの理由により、主回路部温度が規定値を超えるとトリップします。 E021
入力欠相エラー*5 入力欠相と判断した場合にトリップします。判定時間は約1sです。
(入力欠相機能選択時)
E024
IGBTエラー*6 瞬時過電流、主素子温度異常、主素子駆動電源低下が発生した場合、主素子保護のためトリップします。
(本トリップは、リトライ運転が行えません。)
E030
出力欠相エラー*7 出力欠相と判断した場合にトリップします。 判定時間は約1sです。(出力欠相機能選択時) E034
サーミスタエラー TH+/TH-端子に接続された外部サーミスタの抵抗値より温度異常を検出しトリップします。(サーミスタ機能選択時) E035
ブレーキエラー インバータがブレーキ開放出力後、ブレーキ確認待ち時間内にブレーキのON/OFFが確認できない場合、トリップします。
(ブレーキ制御機能選択時)
E036
低速域過負荷エラー 0.2Hz以下の極低速域で、過負荷になった場合は、インバータ内蔵の電子サーマルが検知してトリップします。
(但し、エラー来歴には高い周波数が残る場合があります。)
E038
インバータ過負荷
エラー*1
インバータの出力電流を監視して、インバータ保護用の電子サーマルが動作した場合にトリップします。 E039
RS485通信エラー RS485通信エラー選択の設定がトリップの時、タイムアウトが発生するとトリップします。 E041
EzSQ不当命令エラー EzSQプログラム内で、不当命令を検出した時にトリップします。 E043
EzSQネスト回数エラー EzSQプログラム内で、実行できるネスト回数を超えた時にトリップします。 E044
EzSQ実行命令エラー EzSQプログラム内で、インバータが実行できない命令を検出した時にトリップします。 E045
EzSQユーザ指定エラー
0〜9
EzSQプログラム内で、trip命令を実行した時にトリップします。 E050 〜
E059
STO遮断エラー STO入力表示選択の設定がトリップの時、STO1/STO2端子のいずれかが開放されるとトリップします。 E090
STO内部エラー*8 STO経路の自己診断がエラーとなった場合にトリップします。 E091
STO経路1エラー STO入力許容時間後動作選択の設定がトリップの時、STO遮断の際、STO1の経路が一定区間遮断動作しない場合にトリップします。 E092
STO経路2エラー STO入力許容時間後動作選択の設定がトリップの時、STO遮断の際、STO2の経路が一定区間遮断動作しない場合にトリップします。 E093
*1
トリップ発生後(保護機能動作後)、約10秒経過するまではリセット動作を受け付けません。(モータ過負荷エラー時は設定によります。)
*2
リセット端子又はSTOP/RESETキーによるリセット動作を受け付けません。記憶素子の故障又はパラメータが正しく記憶されていない可能性がありますので、電源再投入後、ユーザー初期化を行ってパラメータを再設定してください。
*3
不足電圧エラー出力には、最大1s程度かかることがあります。
*4
リセット端子又はSTOP/RESETキーによるリセット動作を受け付けません。電源を切ってください。
*5
入力電源波形が歪んでいると正しく検出出来ない場合があります。
*6
出力短絡を保護するものでありませんので、場合によってはIGBT破損の恐れがあります。
*7
出力電流の状態によっては正しく検出出来ない場合があります。
*8
本エラー発生時にはインバータ修理が必要です。もよりのサービス・営業へお問い合わせください。