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Hitachi

株式会社 日立産機システム開閉器・遮断器・高圧機器

安全上のご注意

取付、運転、保守点検の前に必ずこの取扱説明書を熟読し、正しくご使用ください。機器の知識、安全の情報、そして注意事項のすべてについて習熟してからご使用ください。
この取扱説明書では、安全注意事項のランクを「危険」「注意」として区分してあります。

!危険 取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡又は重傷を受ける可能性が想定される場合。
!注意 取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の障害や軽傷を受ける可能性が想定される
場合及び物的損害だけの発生が想定される場合。

なお、!注意のマーク に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。  
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。これら安全上のご注意は
電磁開閉器の安全に関し、より重要な面を補う提案です。お客様は機器、施設の安全な運転及び
保守のために各種規格、基準に従って安全施策を確立してください。

!危険

  • 通電中は製品に触れたり近付いたりしないでください。感電・火傷のおそれがあります。
  • 保守・点検は電源を切ってから行ってください。感電のおそれがあります。

!注意

  • 取付けは、取扱説明書に規程されたスペースを確保して行なってください。火傷・火災の恐れがあります。
  • 配電は印加電圧、通電電流に適した電線サイズを使用し、取扱説明書に規定された締付トルクで締付けてください。火災のおそれがあります。
  • 定格・仕様を確認の上、必ず定格・仕様内でご使用ください。定格・仕様を超えてご使用になった場合、絶縁破壊により、地絡・短絡事故を引き起こしたり、過熱による火災、遮断不能による破壊等の原因となります。

1.使用環境

!注意
  • 常規使用条件以外の環境、雰囲気で使用すると故障の原因となります。
  • 必ず常規使用条件でご使用ください。

1.1 常規使用条件

周囲温度 基準20℃、−10℃〜40℃(ケースカバー入り電磁開閉器、制御盤外に適用)
(1日気中平均温度の最高35℃、年気中平均温度の最高25℃)
盤内最高温度 55℃
電磁接触器の動作特性、サーマルリレーの動作特性は周囲温度により影響を
受けますので注意してください。
相対湿度 45〜85%RH
ただし、結露および氷結のないこと。
標高 2,000m以下
振動 10〜55Hz 19.6m/s2以下
衝撃 49m/s2以下
雰囲気 じんあい、煙、腐食性ガス、可燃性ガス、水気、塩分などがあまり含まれて
いないこと。 また、密閉状態で長期間連続使用されると接触障害などに至る
ことがあります。

2.保管と運搬

!注意
  • 梱包材(紙、木材、釘)、製品のエッジ部や落下により受傷しないようにしてください。
  • 輸送中の事故等による部品の脱落、破損がないか確認ください。
  • 開梱後は湿気や塵埃の多い環境に放置しないでください。
  • 製品に乗ったり、物を乗せたりしないでください。

2.1保管と運搬

保管および輸送中における周囲温度は−30℃〜65℃としてください。
使用開始にあたっては、常規使用条件にあることが必要です。

  1. 包装して保管する
    置き場所は、コンクリートなどの床にじか置きしないで、板または棚の上などが適しています。包装から取り出して裸のまま保管しないでください。
  2. 湿気は避ける
    湿気の多い場所に長時間放置しないでください。
  3. 腐食性ガスは避ける
    硫化ガス、アンモニアガス、塩素ガスなどの雰囲気内に放置しないでください。

2.2 運搬上の注意

  1. 荷造り、運搬はていねいに
    運搬の際、落としたりしないでください。
    盤などに取付け配線後輸送する場合は、ていねいに荷造りしてください。
    なお、輸送中の可動部ロックは特に必要ありません。
  2. 端子、電線を持って運ばない
    製品の端子、サーマルリレー、ラッチ機構、電線などを持って運搬することは破損したり、また、落ちることがあり危険です。

2.3 据付け後、使用まで長期間放置

盤として完成後、長期間にわたって通電使用されないことがあります。
とくに、建設工事中に搬入されるようなときは、セメント、コンクリート、水などが内部に入り込む機会が多くあります。このようなときは、正常運転になるまで必ず臨時の防護処置をしてください。

3.取付けと接続

!危険
  • 通電中は製品に触れたり近付いたりしないでください。感電・火傷の恐れがあります。
!注意
  • 据付け、配線時に異物が製品に入らないようにしてください。
  • 運搬、据付け中に過大なショックなどが加わり破損した製品は、使用しないでください。
  • 取付ねじのサイズを変えたり、本数の不足やDINレールへの取付けが不完全な場合、落下する危険性があります。
  • 据付け、配線時に破損した場合、過熱、短絡の危険がありますので、破損した製品は使用しないでください。
  • 操作回路の電線が長い場合、浮遊容量により制御電圧をOFFとしても開放しない場合があります。
  • 活線状態での手動による操作は絶対にしないでください。
  • 感電の恐れがありますので、ケースカバー入りの製品は、通電時にはフタを閉めて使用ください。
  • 床面取付け、天井取付けはしないでください。

3.1 取付け

垂直面の許容限界図
垂直面の許容限界

横取付け図
横取付け

箱入の下部スペース図
箱入の下部スペース

  1. 乾燥した場所で、ほこり、腐食性ガスや振動の少ないところに取付けます。
  2. ねじサイズに対応した締付トルクで締付けてください。
  3. 正規取付けは垂直ですが、各方向30°までの傾斜取付けは可能です。
  4. やむをえず横取付けをするときは、垂直面の正規取付け状態から左へ(反時計方向)90°回転させた状態で取付けてください。
    横取付けのとき、特性はほとんど変化しませんが、機械的開閉耐久性が低下することがあります。
    DINレール取付けの場合、横取付けはできません。
  5. ケースカバー入り電磁開閉器の取付けケースカバー入り電磁開閉器の下部スペースは配線性からもできるだけ多くのスペースを確保してください。
    特にSHK10-T〜SHK35-Tはカバー締付ねじが 下方向からの締付ですので、保守点検性から右図のごとく下部にスペースを確保してください。
  6. 取付け最小間隔
    !注意
    • 規定の取付最小スペースおよびアークスペースを守ってください。
      電流開閉に伴うイオン化したホットガスが吹き出します。
    表1を参照してください。

取付け最小間隙_表

取付け最小間隙_図面

3.2 接続

!注意
  • 端子ねじが緩むと、過熱、火災の恐れがあります。指定の締付トルクで締付け、定期的に増し締めしてください。また、締付トルクが大き過ぎると端子ねじが破損することがあります。
  • 端子に接続する圧着端子、接続導体は十分な絶縁距離を確保しないと短絡する危険があります。
  • 電線サイズが不足すると過熱、火災の恐れがあります。使用条件にあった電線を使用してください。
  • ロックペイント、サーモラベル等が電線接続部や接点に付着すると、導通不良により過熱、火災の恐れがあります。
  • 端子ねじを緩めた場合、指定の締付トルクで確実に締付けてください。過熱、火災の恐れがあります。
  1. コイルへの電圧、周波数
    操作回路の電圧、周波数と、コイルの定格表示電圧、周波数は合致している必要があります。
  2. 線押え式端子ねじへの接続
    接続に圧着端子を使用されるときでも付属の線押えがそのまま使用できます。
    線押え付きのものは電線の絶縁被覆を皮むきしてそのまま端子に接続できます。
    太いより線の場合は、素線を二つに分けて接続してください。
    線押え式端子ねじへの接続図
  3. 適用電線サイズと端子
    締付トルクは表2を参照してください。
    締付トルク表
  4. 金属製の外箱には、必ず接地をとってください。

3.3 補助固定接触子の挿入要領

組換え等により補助固定接触子を抜き出し、無造作に再挿入すると、補助固定接触子で可動接触子を押し出すことがありますので注意が必要です。

1.b接点の場合の挿入要領

可動部先端を下図のようにドライバ等で押し込んで投入状態に、また、ラッチ付はラッチを掛けた状態にして補助固定接触子を挿入してください。
開放状態で挿入すると下図のように可動接触子が押し出され脱落します。

補助固定接触子の挿入要領図

2.a接点の場合の挿入要領

a接点の場合は、可動部を開放状態で挿入してください。
b接点のように可動部を押し込んで挿入すると、可動接触子が押し出されて脱落します。
ラッチ付はラッチを外して(a接点OFF状態)挿入します。

補助固定接触子の挿入要領図

4.サーマルリレーの保守点検

4.1 ヒータ定格および調整

サーマルリレーの整定電流は、モータ全負荷電流に一致するものを選び、こまかい調整はつまみを回して行います。たとえば、モータの全負荷電流8Aのときは、9Aのサーマルリレーを使用して、下図のようにつまみを回して、8Aに目盛りを合わせます。なお、周囲温度・電線サイズ・セット値誤差・経時変化等によってミストリップする場合があります。つまみを回しセット位置を調整して使用ください。

つまみ調整

〔リセット〕
モータに過電流が流れると、サーマルリレーはトリップします。過電流の原因を調べ、対策をとってから、リセットレバーを押してリセットしてください。トリップ直後はリセットできない場合がありますが、バイメタルが冷却すればリセットできます。自動リセット形はしばらく(バイメタルの加熱温度により異なり、10数秒〜10分程度)すると自動的にリセットされます。

〔分解しないでください〕

サーマルリレーの内部は絶対に触れないようにしてください。

4.2 サーマルリレーの溶断

サーマルリレーはモータの焼損保護用です。短絡に対しては保護できませんので短絡 発生時には交換してください。
サーマルリレーのヒータは、短絡などでヒータの溶断I2tを超過する大電流が流れると動作する前に溶断します。 ヒータ溶断を防止するには、電磁開閉器の電源側に接続される配線用遮断器を正しい容量とするか、サーマルリレーを飽和リアクトル付とするなどして、保護協調をとってください。
なお、ヒータ溶断のときは、サーマルリレー内部のバイメタルが正規とは反対方向にわん曲していることがあります。 これはヒータ溶断による大きな熱量によって、バイメタルが異常加熱され内部応力が過大となった結果、永久変形に至るためです。

4.3 接点構成

サーマルリレーの接点構成は、下図に示すように1a1b付となっています。a接点、b接点を独立した接点として使用でき、異電圧使用も可能です。

HKシリーズサーマルリレーの周囲温度補正曲線

4.4 周囲温度と整定電流

HKシリーズサーマルリレーは周囲温度20℃を基準に調整され、周囲温度補償装置付となっているため、周囲温度の影響に対し動作特性の変化は少なくなっています。周囲温度 20℃を基準にした最小動作電流の特性変化を図1に示します。

HKシリーズサーマルリレーの周囲温度補正曲線

4.5 表示窓への異物進入防止

配線くずなど異物が表示窓から侵入するとトリップしない場合もありますので注意してください。

4.6 自動リセットの方法

!注意
  • 自動リセットのサーマルリレーで出力接点が復帰したとき、あるいは瞬時停電が復電したときの機械装置等の自動再始動による事故を想定し、安全を確保してください。
  1. TRK12-1E,2Eの場合
    リセットから自動リセットへの切替えが簡単にできないように切換板部にストッパーが設けてあります。自動リセットに切替える場合は、このストッパーを切り落とした後、リセットレバーを押し込んだ状態で切換板を右へスライドさせ(Aの位置まで)、リセットバーを固定します。
    TRK12-1E,2Eの場合
  2. TRK20,25,50-1E,2Eの場合
    手動リセットから自動リセットへの切替えが簡単にできないようにリセットバー頭部にストッパーが設けてあります。自動リセットに切替える場合は、このストッパーを下図の斜線部分でニッパーなどで切り取り、プラストドライバで押し込んで反時計方向90°(Aの位置へ)回転させてください。
    TRK20,25,50-1E,2Eの場合

5.オプションユニットの種類と取付け要領

5.1 追加補助接点ユニット

追加補助接点ユニット

5.2 補助接点ユニット取付け要領

補助接点ユニット取付け要領

5.3 機械的インタロックユニットの組合せ

  1. インタロックユニットと電磁接触器の組合せが正しいことを確かめてください。
  2. 下表の寸法に従って取付穴をあけてください。
  3. 下図のように両方の接触器にインタロックユニットをはめこみます。
  4. 両方の電磁接触器でインタロックユニットをはさみ、電磁接触器をねじ締め固定してください。
  5. 両方の電磁接触器でインタロックユニットをはさみつけて連結板により両方の電磁接触器を直結し固定してください。(DINレール取付けの際は必ず連結してください。)
  6. 可逆式は必ず下図中央のように電磁接触器相互に直接電気的インタロックを施して使用してください。電気的インタロックは電磁接触器間の内側補助接点を使用してください。

取付穴寸法

UN-ML11・・・ HK8,HK10用インターロックユニット

  1. インタロックユニットのレバー(1)を電磁接触器側面のレバーはめ込み穴(2)に、はめ込み突起(3)をユニット取付穴(4)にはめ込み、左右の電磁接触器でインタロックユニットをすきまなくはさみ付けます。
    ご確認事項
  2. 連結板Aを左右電磁接触器のバリアをはさむように“カチッ”と音がするまではめ込んでください。(2箇所)。
  3. 左右電磁接触器の下部にある溝(6)に連結板Bのレール部(7)を合せ、連結板Bの突起(8)がインタロックユニットのフックGにはまり込み“カチッ”と音がするまで押し込んでください。
  4. インタロックユニットのリード線をコイル端子A1に接続してください。リード線R02(赤)→右側電磁接触器へリード線L02(黒)→左側電磁接触器へ

HK8,HK10用インターロックユニット

UN-ML21・・・ HK20,25,35,50用インターロックユニット

  1. インタロックユニットのレバーを電磁接触器側面のレバーはめ込み穴に、また、はめ込み突起をユニット取付穴にはめ込み、左右の電磁接触器でインタロックユニットをすきまなくはさみ付けます
  2. 左右電磁接触器の下部にあるレール部に連結板のレール部を合せ、連結板をインタロックユニットのフックに突起がはまり込み“カチッ”と音がするまで押し込んでください。

HK20,25,35,50用インターロックユニット

ご確認事項

5.4 サージアブソーバ

!注意
  • バリスタ(CSK-48ACで使用)は劣化によって発煙するおそれがあります。運転中は製品に近づかないように、また、操作回路にヒューズ等短絡保護装置組み合わせてご使用ください。
  • サージアブソーバは定格を超えて使用すると、破裂、火災の危険があります。

(1)形式と適用機種

形式と適用機種

6.ラッチ付電磁接触器

!危険
  • 保守、点検は電源を切ってから行ってください。感電の恐れがあります。
!注意
  • アークカバー等の部品を外したり、分解、改造しないでください。性能低下につながります。
  • 活線状態での手動による操作は絶対にしないでください。
  • 手動操作部以外には手を触れないでください。はさまれ事故のおそれがあります。
  • 投入コイル、引外しコイル共15秒の短時間定格ですので、自己消磁接点(本体内蔵の1a1b接点をコイルに直接接続)を外して使用しないでください。
  • 投入コイル、引外しコイルに指令を与える外部スイッチの指令時間は0.3秒以上になるように設定してください。
  • 投入用外部スイッチと引外し用外部スイッチのそれぞれの指令がオーバーラップ(同時接触)しないように設定してください。
  1. 手動投入、手動引外しの方法右図のようにドライバーで押して、手動投入、手動引外しを行ってください。ただし、主回路、操作回路に電圧が加わっている時は危険ですので手動投入、手動引外しは行わないでください。

この部分を押すなの説明図

7.故障原因とその対策

故障原因とその対策_表

ご照会の際は

その際は次の事項をご連絡ください

  1. 形式(TYPE-FORM)
  2. モデルNo.(MODEL No.)
  3. 製造番号(MFG No.)
  4. 故障の現象
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