食品加工メーカ A社(製造部)
食品加工メーカ A社では、ポンプの老朽化で冷却水の循環異常を起こし、あと少しのところで冷凍庫の食材をすべてダメにしてしまうという「ヒヤリ・ハット」を経験した。
A社の製造部で働くS氏は、先日発生した「ヒヤリ・ハット」について再発防止策を練ることにしました。原因は、冷凍機への循環ポンプの老朽化で、冷却水の循環異常を事前に察知できなかったことが問題でした。
「ポンプのエラーを知るには、熟練技術者が目視で確認する以外に方法がありませんでした。もちろん日常確認を行なっていましたが、人の目ですべてをチェックするのは難しく、何よりも効率が非常に悪いことが課題でした」(S氏)
検討の結果、循環ポンプのリプレイスを進めることにしました。しかし新たなポンプで管理機能を強化するためには、専用のインバータ制御盤も新設しなければなりませんでした。試算したところ、かなりの設置コストがかかることがわかりました。さらにそのモデルの設定は、操作が複雑で習得にはかなりの時間がかかりそうなことも、心配の種でした。
また、冷凍庫の最適性能ごとに運転条件を変えて管理をしたかったのですが、一括管理の設定しかできず、結局のところ目視の作業が残ってしまうことがわかりました。
これでは、せっかくポンプを入れ替えても熟練技術者の業務効率向上にはつながりません。かといって起きてしまったヒヤリ・ハット事例を放置するわけにもいかず、S氏は途方に暮れるばかりでした。
循環ポンプの異常を知るすべがなく、熟練技術者が日常確認を行っており非効率
入れ替えを検討したが、専用のインバータ制御盤を新設する必要があり、設定が面倒なうえにコストがかかる
冷凍庫の最適性能ごとに運転条件を変えたいが、制御盤では一括の設定しかできず、目視での管理は変えられない