食品製造 S社(製造部)
* 写真はイメージです
S社の主力製品であるお土産用のお菓子が、パッケージの面白さや独特の風味が好評で、全国からオーダーが入ったため、ラインをフル稼働して増産体制を取ることにした
増産に伴い、個包装のお菓子に使用している窒素ガスのボンベを通常より多く準備しなければならなくなり、製造部のTリーダはその対応に追われていました。なぜなら、ボンベの設置場所はすでに満杯だったのです。そこでT氏は仕方がなく、工場から少し離れた屋外の屋根付きスペースなどに一時保管し、その都度移動することにしました。当時の対応についてT氏はこう語ります。
「窒素ガス切れでお菓子が出荷できないという事態は絶対に避けなければなりません。そこで、通常在庫の約2倍のガスボンベを持つことにしました。ところがボンベの移動の手間や安全面で設備担当から苦情が入ってしまいました」
問題は、保管場所から製造ラインまでの移動だけではありませんでした。ラインに設置している窒素ガスボンベを交換する際の、十数分のライン停止が目立つようになってきました。通常の生産でもボンベ交換によるライン停止は発生していましたが、増産時に比べると頻度が少なかったため、あまり目立ちませんでしたが、頻度があがると無視できないロスタイムとなり生産効率が落ちてしまいました。
ボンベの置場とライン停止の2つの大きな問題に、T氏は途方に暮れるばかりでした・・・
増産に伴い、窒素ガスボンベの置き場所を増やしたが、ボンベ移動の手間や安全面に設備担当から苦情が入った。
窒素ガスボンベの交換時に発生するライン停止が頻発し、生産効率に問題が出てきた。