工作機械メーカ L社(開発部)
得意先の事業所から、新しい精密部品加工用の装置について相談を持ち掛けられたL社。今回は、サイズとスペックが従来製品とはまったく違っていたことから、要となるモータをどうやって装置内に組み込むかが、最大の課題と考えられた。
依頼された新規の精密部品加工装置の設計を検討するにあたり直面した課題について、開発部のF氏は以下のように話します。
「依頼された装置は、従来製品とはまったく異なるものでした。装置内のサイズに制約があるために、従来採用されていたビルトインモータでは対応できません。そのため、適合するモータとインバータを新たに選定する必要がありました。さらに顧客からは、これまで以上に高性能で高速なモータであることを希望されていたのです」
そこでF氏は、従来製品で取引があったモータメーカ数社に相談を持ちかけました。しかし、ビルトインモータ自体の扱いがないメーカも多く、たとえ扱いがあっても、希望のサイズとスペックに適合した製品がないために「対応が難しい」との回答ばかりが寄せられたのです。
また、開発部のメンバーで手分けをしながら展示会を訪れたり、ネット検索をしたりしながら、知見のあるメーカのモータを調べるものの、適合した製品は見つけられませんでした。顧客への提案期限が刻一刻と迫る中、F氏には焦りの色が見え始めていました。
新規装置に必要なビルトインモータは、従来装置に採用していたものが使用できず、変更する必要があった
要求されるサイズとスペックに合うビルトインモータが、なかなか見つからなかった