産業用インクジェットプリンター

面が粗いもの、凸凹状のもの、柔らかいもの、壊れやすいものなどにもマーキングが可能です。お客さまのニーズに応じたインクバリエーションをご用意しています。

概要

幅広い用途、さまざまな材質の製品印字に対応します

日立産業用インクジェットプリンタは、日立創業の地、日立市で1975年より長年にわたって積み重ねてきたノウハウや技術により製造されています。インクが空中を飛ぶ非接触型の印字方式を採用した高速プリンタで、幅広い用途に 適しており、さまざまな材質に対して印字ができます。

製品ラインアップ

関連製品

導入留意事項
留意事項ほか 説明
表面結露
表面結霜
表面結凍
表面水滴
表面水膜

日配・冷凍食品は冷蔵庫、冷凍庫、水槽から出荷するときに、日付などをマーキングする用途において表面が結露、結霜、結凍、水滴、水膜などが発生します。

留意点

  • 結露、結霜、結凍、水滴、水膜が生じると、インクが付着しなかったり、にじんだりします。

防止策

  • マーキング直前に熱風をかける。
  • マーキング直前にエアーブローする。
  • 水滴ふきとり装置を付加する。
材質、表面状況

材質、表面状況により印字状態が変わりますのでサンプルによる事前確認が必要です。

留意点

  • ワーク材質、表面処理、表面状況が経時的に変化する場合、インクのにじみ、付着力が変わる場合があります。
  • 確認に使用するサンプルは実際のラインに流れている物と同じものが必要です。また極力新しい物による確認が必要です。
  • 材質、表面状況変化の激しい物の場合は状況により実ラインテストが必要です。
マーキングの転写

可塑性の樹脂ホース(ビニールなど)や、強いテンションで巻き取られる金属の薄板などは、インクが完全乾燥していない状態のときはもちろん、乾燥した後でも周囲条件によって、転写する場合があります。

留意点

  • 転写しても問題にならないかどうか確認が必要です。

防止策

  • インクの強制乾燥装置(冷風、熱風など)を設けるか、ラミネート処理が必要です。
耐溶剤性要否

電子部品はプリント基板に組み込むとき、はんだフラックスが付着するために洗浄工程があり、このとき溶剤に触れるケースがあります。汎用のIJプリンタ用インク(JP-K67、JP-K27)は耐溶剤性がありません。

留意点

  • 洗浄工程で溶剤に触れるケースの有無の確認が必要です。
  • 溶剤成分のチェックが必要になります。

防止策

  • 紫外線硬化タイプのインク選定を要します。(UV硬化装置を設ける必要があります)
粉じん

粉じんの多い場所で使用する場合、IJプリンタの各種トラブルの誘発の原因となります。

留意点

  • 電気系統の接触不良、短絡トラブルの発生に注意してください。
  • インク寿命低下や循環系部品の寿命低下を招くおそれがあります。

防止策

  • インク噴射に影響のない量のエアーパージを施す。
  • 筺体内部をエアーパージする。
印字ヘッドへの異物侵入

被印字物の下面のマーキングの場合で、印字ヘッドのインク噴出口が上を向いてマーキングする用途に発生します。

留意点

  • 印字ヘッドに異物が落下する使用例で発生します。

防止策

  • 異物が印字ヘッドに落下しないライン構造にする。
  • ライン上でワークの上下が入れかわる構造にし、印字ヘッドを下に向けてインクを噴出してマーキングできる構造にする。
印字ヘッド絶縁
IJプリンタ
コントローラ絶縁

IJプリンタは原理上フレームグランドとシグナルグランドを分離することができません。

留意点

  • IJプリンタ(本体~印字ヘッドまで)を電気的に絶縁する必要があります。
  • 搬送コンベア、IJプリンタ移動装置(ロボットなど)、センサー、その他周辺装置からノイズが侵入しますと誤動作や故障を引き起こすことがあります。
  • インバータモータ、サーボモータなどの高周波発生装置には細心の注意をお願いします。
  • 印字物が静電気を帯びる性質の時は放電ノイズが発生しないシステム構成をお願いします。
印字ヘッド用
接続管支持方法

IJプリンタ本体から印字ヘッドへインク、電気信号を送るためのチューブ・電線類を入れて保護しているフレキシブルホースを支持する場合ご注意ください。

留意点

  • 接続が極端に小さな曲率径であったり、無理な力が加わるような支持がされたまま動くと、破損する可能性がありますので注意してください。
  • フレキシブルホースに振動が伝わると循環系統の圧力変動により、文字乱れの要因となります。
振動防止

印字ヘッドが振動すると文字が乱れます。振動のエネルギーが大きい場合、IJプリンタがダウンします。

留意点

  • IJプリンタに振動が加わらないように防振装置を設置してください。
  • 周辺装置(コンベヤ、ロボットなど)が発生する振動を極力少なくし、振動絶縁対策を行う必要があります。
    ※IJプリンタ側の耐震動仕様は0.2G以下です。
衝突

IJプリンタの印字ヘッド先端とマーキング面の距離は、極端に大きくできません。
(100µmノズルで約30~50mm、65µmノズルで約10~20mm、40µmノズルで5mm)

留意点

  • 不定形物にマーキングする場合には凸部が印字ヘッドに衝突しないように考慮する必要があります。

防止策

  • 上流部署にローラー設備を導入し、凸部を平面に整形する。
  • 前工程にストッパーなどを設け、衝突防止を施す。
  • 凸部をセンシングしラインを停止させる。
小円筒物内面
マーキング

印字ヘッド長より小さい円筒物内面にマーキングを行うとき、印字ヘッドと被マーキング物の干渉を避けるため、マーキング距離を大きくセットする必要が生じます。

留意点

  • ワーク形状、構造、マーキング手法などから安全な距離を確保する必要があります。
  • マーキング距離を大きくセットする必要があるため、一般に小さなサイズのマーキングが難しく、さらにマーキング速度を遅くしなければなりません。
印字ヘッド内結露

印字ヘッド内が結露する環境下で使用する場合は、印字ヘッド内のエアーパージを実施してください。

留意点

  • IJプリンタには清浄なドライエアーを本体裏面の[エアーパージ用エア接続口]に供給してください。
  • エアーパージ量調節後は印字テストにて印字状態を確認してください。
安全に関するご注意
  • ご使用の前に取扱説明書をよくお読みのうえ、正しくお使いください。
  • インクおよび補力液が第2種有機溶剤等を含有する場合、労働安全衛生法の中の有機溶剤中毒防止規則(労働省令36号)の対象となり、これによる管理が必要です。
  • インクおよび補力液が第2種物質特別有機溶剤等を含有する場合、労働安全衛生法の中の特定化学物質障害予防規則(労働省令39号)の対象となり、これによる管理が必要です。
  • インク、補力液類は労働安全衛生法やPRTR法に基づく扱いが必要です。
    (PRTR法:環境汚染物排出移動登録)取り扱いに際してはSDSをお読みください。
    (SDS:安全データシート)SDSは表紙のホームページから取得。
    または奥付けの営業拠点にお問い合わせください。
  • IJプリンタ周辺には、火気源を置かないでください。
    装置内、保管用、拭き取ったものなど、すべてのインク、補力液の管理に関しては、消防法の「危険物第4類各成分」保管基準に従ってください。
  • IJプリンタをよりよい状態でお使いいただくために、装置の定期点検のための保守契約をされることをおすすめします。
    詳しくは当社の営業窓口へお問い合わせください。
  • IJプリンタダウンタイムにより発生した生産損失および納入機器の故障や誤作動による物的損失につきましては、保証外とさせていただきます。

お問い合わせ

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