保護継電器は駆動力が小さく、したがって接点容量も小さいのが普通ですが、日立継電器の場合、主接点の接点容量は次の値を標準としています。
閉路容量 | 3.0A(但し、内蔵の補助接触器の動作時間の範囲で15A投入可能) |
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連続通電容量 | 1.5A |
開路容量 | 0.25A(L/R=15ms、DC110Vにて) |
補助接触器は、Auxiliary Contactorと呼ばれます。
保護継電器を使用する場合、その主接点だけでは大きな引きはずし電流の確実な通電は困難です。そのため、主接触で、大きな引きはずし電流を流す場合は補助接触器を使用します。
補助接触器は主接点に対し図1のように接続されます。主接点回路に電流が流れたとき、この電流が補助接触器の動作電流より大きいこと、これが働いて主接触を短絡します。したがって電流は補助接触器の接点を流れ主接点は保護されます。
補助接触器は主接点の容量より小さな電流で動作する必要があります。標準品は1.5Aで確実に動作するようにするため1.5Aより少なめの電流で動作するように調整されています。
動作表示器は、Targetと呼ばれています。本器は、継電器接点に電流が流れたことにより表示します。これは手動復帰になっていますので、引きはずし電流がなくなっても表示状態を続けます。したがって、継電器の動作の確認、故障の判断、点検に便利です。
なお、用途により各種仕様のものがあります。
大きな故障電流が流れた場合、高速度遮断する目的に製作されたものです。その構造はヒンジ形になっており、電流整定指標がありますので可動磁極を動かして指標に合わせ、電流整定を行います。
即時要素の動作時間は電流値にほとんど関係なく、即時要素整定の電流になれば即時(40ms以下)動作します。
表示付補助接触器は、I.C.S(Indicating Contactor Switch)とも呼ばれ、補助接触器と動作表示器の機能を併せ持ったものです。その接続は、図2に示すように補助接触器の接続と同様で、用途に応じて下表のような仕様のものがあります。
図1 図2
引出式継電器(B、D、E、G、各ケースの継電器)は、プラグをはずすだけで内部要素を引き出すことができますので、点検試験に便利です。これらの継電器は、
写真は、引出式継電器の内部機構を引き出したところを示します。
引出式継電器を引出したところ
3Rケースは埋込形で、B、D、E、Gケースは引出形構造です。
各ケースの外形寸法及び盤穿孔図は各形別仕様表内のケース図欄のリンクをご参照ください。
補助接触器(AUX) | 動作表示器(TAG) | 表示器付補助接触器(I.C.S) | 適用 | |||
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電流(A) | 抵抗(Ω) | 電流(A) | 抵抗(Ω) | 電流(A) | 抵抗(Ω) | |
1.5 | 0.5 | 0.1 0.2 0.5 0.8 |
3.0 7.4 1.6 0.48 |
0.2 0.5 0.8 |
20 2.7 1.2 |
I形距離継電器標準(動作表示器)標準仕様 |