電子部品メーカ A社(製造部)
450kWの大型コンプレッサーを設置しているA社の工場。インバータ制御を行うことで高効率・省エネを両立していたものの、ある課題に悩まされていた。さらに突入電流が大きいことによる別の課題も発生し、製造部はこれらの解決に躍起になっていた。
省エネを図るには、大型コンプレッサーを効率よく使用する必要があります。そのためA社の工場ではインバータ制御を行っていましたが、いくつかの課題を抱えていました。
一つは、高調波が発生してしまい機器の誤動作やノイズを引き起こしていたこと。ノイズフィルターなどでの対策は可能でしたが、そもそも誤動作の原因はさまざまであり、コンプレッサーの設置環境にも左右されるものです。事前に対策を行うのは困難でした。
さらに突入電流が大きいため、電力会社との契約電力をオーバーしてしまう事態も発生。起動時に一時的に電力が上がるだけでも契約電力を超過してしまい、製造部では頭を悩ませていました。担当者のB氏は、次のように振り返ります。
「電力の契約単価が上がると電気料金が相当上がってしまうため、とても省エネとは言えない状態になっていました。そこで私たちは早々にこのコンプレッサーのリプレイスが必要だと判断し、検討を始めることにしました」(B氏)
現状のまま運用を続けることが難しい状況で、A社では早急に設備をリプレイスすることが必要でした。しかし既設の電源設備では、電源超過のため通常の起動方式の一定速コンプレッサーを導入することが難しかったのです。こうした電源周りの障壁が思いの外高く、課題が次々に見つかるのでなかなか話が進みません。担当者は頭を抱えるしかありませんでした。
インバータ制御を行う際に高調波が発生し、機器の誤動作やノイズを引き起こしていた
突入電流が大きく、電力会社との契約電力を超過することがあった
既設の電源設備では通常の起動方式の一定速コンプレッサーが導入できなかった