金属加工業 G社(製造技術部)
需要の拡大で主力の飲食向け製缶の生産が好調のG社。この流れから、増産計画が練られていた。ところがこの状況に、生産設備の稼働など管理している製造技術部の担当者は、現在4台が稼働しているコンプレッサーについて、越えなければならない二つの壁があった
一つ目の壁は、コンプレッサーからのエアーを送っている配管の、末端部での圧力損失が想定以上に大きいということでした。
製造技術部でこの件を担当しているK氏は、次のように振り返ります。
「生産が集中する時間帯によっては、末端部のエアー圧力が低下し、生産量を減らしたり、最悪の場合はラインを一旦停止したりすることもありました」
二つ目は、機器の老朽化でした。メーカのメンテナンスを定期的に行うことで、特に大きな故障、障害もなく使えていたため、そのまま使い続けていたのです。
「このところ多品種生産や特急対応など、量産状況にエアーがついていけないケースが散見されはじめ、気になりだしたところでした」(K氏)
一方、G社では全社で省エネ改善を推進しており、古い機種をフル稼働することによる消費電力の増加を上層部や関係部署はとても気にしていました。またK氏はコンプレッサーのフル稼働により、故障の発生を誘発するのではないかと毎日心配していたのです。
これらの状況を総合的に見極め、コンプレッサーの環境改善を図ることにしたK氏。しかし、二つの不安材料を同時に解決するには、どこから手を付ければよいのか、全く見当がつきませんでした。
コンプレッサーエアー配管の末端部での圧力損失が想定以上に大きい
コンプレッサーの老朽化が進み、昨今の量産状況についていけない
省エネ改善を推進しており、古い機種をフル稼働することによる消費電力が気になる