化粧品メーカX社製造管理部
X社では、化粧品の容器底部に印字しているロット番号を、容器や溶液の色に合わせて黒や黄色のインクで使い分けていた。
インバウンド向け商材として抜群の人気を誇るX社の基礎化粧品シリーズは、高級ラインらしい濃紺のガラスボトルがトレードマークでした。容器の色みが濃いため、ロット番号を容器底面に印字するのに、目立つよう黄色のインクを使用していました。しかしこの黄色インクは、黒色に比べて目詰まりしやすい性質のため、このところ以前にもましてそれがひどくなっていたのです。
一度目詰まりが発生すると、ラインを停止して修復作業をしなくてはならず、その度に生産に遅れが生じるため、他工程からも不満の声があがっていました。また、目詰まり予防にはこまめなメンテナンス作業が欠かせませんでした。黄色インクを使用する日は早い段階から印字調整を行ない、一定期間使用しなくても週に一度はインクジェットプリンタ(IJP)をテスト運転させなければならず、その手間の多さに現場からは非効率で面倒だという声もあがっていたのです。
このIJPは、導入からかなり年数が経過していることもあり、特に黄色インクはくすみや輪郭のガタつきなどが目立ち、高級イメージの演出にも支障が出始めていました。そこで製造管理部ではIJPそのものの入れ替えを検討。早速、現行メーカに提案を求めました。しかし、X社が課題とする黄色インクについて、同メーカでは目詰まりやメンテナンス性などの対策はあまり進んでおらず、リプレイスの計画は一旦頓挫する形となってしまいました。
化粧品容器へのロット番号印字に使う黄色インクが目詰まりしやすく、メンテナンスにも手間がかかる
IJPのリプレイスを検討したが、現行品メーカのままでは黄色インクの課題を解決できない