飲料メーカN社製造部
タクトタイムの削減や、ラベル貼り付けのコスト削減といった目的から、段ボールや袋などの外装物に直接印字するニーズが増えてきている。
飲料メーカのN社では生産ラインの効率化に向け、日付や記号をラベルに印字して貼り付ける工程から、外箱に直に印字する方式に変更することにしました。しかし、このところの多品種少量生産の増加により、1日に数回、段取り替えが発生。その際に、印字距離に高精度な位置決めが必要であり、タクトタイムの削減になかなか結び付きませんでした。
班長のT氏はこの取り組みについて、当時の様子を次のように語ります。
「外箱に印字するという試みは画期的でした。しかし、デザインに凝った撥水性のある段ボールや、サイズがまちまちの外箱が増えていて、そこに印字しても現行のDODプリンタでは水溶性インクのため乾燥が遅く滲んでしまったり、印字距離設定に精度が要求されたりと対応にかなりの時間を取られてしまいました」
またT氏はプリンタ自体の効率化も改善できないかと考えていました。というのもキャップに製造日を印字するプリンタと外装用はメーカが違っていたのです。そのためメンテナンスも別々でコスト効率や、操作画面の違いから使い勝手も悪く、メンバーから不満の声が上がっていたからです。
印字やメンテナンス効率、操作性まで、解決しなければならない問題にT氏は何から手を付けてよいか、悩むばかりでした。
1日に数回段取り替えが発生し、機器類の位置決めで時間がかかり、タクトタイムがなかなか削減できない
現行のDODプリンタは水溶性インクのため、撥水性の段ボールに印字を行ってもインクの乾燥が遅く滲んでしまう
キャップ印字用と外装用のプリンタはメーカが違うことから、操作方法に統一性がなく、メンテナンスも別々のためコスト効率が悪い