食品メーカR社生産技術部
インクジェットプリンタ(IJP)で商品に賞味期限を印字しているR社。検査工程で無駄バネしたOK品は、目視・手作業でラインに戻していますが、無駄バネが多いラインではNG品までラインに戻してしまうことがありました。
R社では、生産ラインの省人化と効率化に取り組んでいました。しかし、インクジェットプリンタ(IJP)による印字を検査する工程で、検査装置では処理できず、結局人的な対応を要していました。円筒状のパッケージの製品は、ガイドと接触し回転します。これにより、検査用カメラの下を通過するときに印字が検査範囲を外れ判定することができなかったのです。
生産技術部のT氏は、製品には全く問題がないにも関わらず印字検査で排斥してしまう無駄バネの数を削減する方法を模索しました。
「まず、印字工程と検査工程を近づける方法を検討しました。しかし、スペースに限りがあり、そのようなレイアウト変更は困難である上に、確実に解消できるわけでもないため適切とは言えません。次に、検査でOK・NGを判断する判定値を低く設定することを考えました。しかしこれも本来NGとしなければならない製品まで検査を通過してしまうことになり採用できませんでした」(T氏)
需要増加に伴い、R社では生産性を上げる必要が生じていました。しかし、ラインの搬送スピードを今以上に上げると無駄バネもさらに増え、人手で対応しきれなくなってしまいます。改善が急かされる中、T氏は解決方法を求めて必死に情報を集めました。
円筒状のパッケージが回転するため、印字検査装置で判定できない
大幅なライン改造や、判定値の緩和をせずに無駄バネを解消したい