工作機械メーカ S社(製造部)
生産増強計画に伴い、製造ラインを見直すことになったS社。ショットブラスト処理や塗装の工程で使用している既存のホイストシステムが老朽化していることから、これを機にリプレースすることを検討していた。
リプレースにあたり、担当する製造部は現状の課題や新しい巻上機に求める仕様について、検討を進めることにしました。
製造部の班長A氏は、検討時の状況を次の様に語ります。
「昨今の状況から、生産増強に向けた搬送設備のあり方について検討を重ねました。それを踏まえて、毎日ホイストを使っているメンバーからは、信頼性や安全性、使い勝手や操作性の良い巻上機を使用したシステムにしてほしいという要望が強かったです。そのうえでタクトの短縮など、今度のホイストでは生産性も向上したいと考えていました」
しかし、ここにきて想定外の課題が発生します。生産ラインの見直しでショットブラストした部材が通過するスペースに、寸法の制約が発生。また、タクト短縮のために移動速度を上げると荷振れがひどくなる懸念が出てきたのです。
「既存メーカの提案は、うちで使っているモデルの後継機種でしたが同様のロープ4本でつるタイプのホイストで、サイズ感も変わっていませんでした。このままではショットブラスト後が、いろいろと心配になってきました」(A氏)
また、A氏は保守関連や法規(労基や設置基準)対応も見直したかったため、既存メーカに提案を求めていました。しかし、この手の相談には実績が少ないことから提案には消極的でした。
こういった状況に、不信感をいだいたA氏。他メーカへの切り替えも考えましたが、今まで他メーカを使ったことがなく、情報を持っていなかったのです。
リプレースするホイストの仕様では、ショットブラストした部材が通過するスペースの寸法制約や速度を上げると荷振れがひどくなる懸念が
保守関連や法規(労基や設置基準)対応について、既存メーカは提案に消極的