プラスチック加工メーカ D社(製造技術部)
プラスチック樹脂製品の製造、加工を行っているD社。材料を投入する工程では、各ラインとも2台のモートルブロックを使って、プラスチック原料を保管している1階部から、材料投入口のある中2階部に、頻繁に運搬を行っていた
生産工程において重要な役割を担っていたD社のモートルブロック。ところが、操作スイッチ用のケーブルでいくつか重大な問題が発生していました。そのひとつが、ケーブルの損傷です。原料の移動中に工場内設備や機器にぶつかり、痛めたことで交換の頻度が増えていたのでした。最悪のケースでは、この損傷が元で断線が起こり、材料投入の作業ができずラインが停止したこともありました。
その時の対応状況などを、製造技術部のK氏は次のように語ります。
「モートルブロックのケーブルが原因でラインが停止するといった状況は絶対に避けなければなりません。そこで、こうした事態を軽減しようと、モートルブロックの使用時には、作業員が十分注意しながらケーブルの取り回しをおこなうことにしました」
ところがここで新たな問題が発生します。ケーブルの取り回しに集中するあまり、今度は作業員が装置にぶつかったり、余ったケーブルを踏んで転倒するといった危険も発生。早急な改善が必要になったのです。そこで、作業員の通路を広めに確保するなど改善策を検討しました。しかし、工場が狭いうえに昨今の多品種小ロット対応のため、材料搬送のルートの固定化は難しかったのです。
改善に向けた対策案は、なかなかまとまらず、K氏たちは途方に暮れてしまいました。
モートルブロックの操作スイッチ用ケーブルが、作業中に機器類に触れて断線するトラブルが発生。ラインが停止したこともあった
トラブルを回避するため、ケーブルの取り回しに作業員をあたらせたが、そこでも安全面について課題が発生