物流会社 B社(業務部)
B社では、複数のメーカから出来上がった様々なサイズ、重量の製品を一時的に自社の各倉庫に集め、そこから納入先ごとに混載して物流を請け負う企業として、急成長していた
B社は、全国から連日送られてくるこれら製品を、一時的に倉庫の中二階にある空きスペースに保管していましたが、実はこの件でいくつかの問題が発生していました。問題の根源は、中二階に製品を移す際に使用している専用の昇降機にありました。この昇降機である程度の大きさ、重さの製品を上げることは可能でしたが、ここ最近はこの昇降機では持ち上げられない部品や機器の受け入れが増え、そういう場合は一階の空きスペースに置かざるを得ませんでした。
その時の様子を業務部のN氏は次にように語ります。
「繁忙時期は、一階の空きスペースに置ききれない製品たちが通路をふさいでしまって、作業効率の低下や、ひどいときは納品遅延を起こしていました。その度に中二階の使い勝手を改善しなければと思うのですが、連日の忙しさでいつも後回しになってしまって…」
また、どうしても倉庫内に置けなくなった場合は、屋外に置いていましたが、汚れや錆が発生して、クレームになったことがありました。その後は緊急対応として、レンタル倉庫を借りるなどしていましたが、効率の悪さやコスト上昇を招くため極力避けたいし、昇降機の移設や新規導入もスペースやコストの問題で現実的ではなく、悩みの種となっていたのです。
こういった事態が重なったことで、中二階の使い勝手を改善すべくN氏が中心となって対策会議を開きましたが、具体的なアイデアを見つけ出せず時間ばかりが過ぎていきました。
昇降機で中二階に持ち上げられない大きさや重さの部品・機器類がこのところ増えていた
持ち上げられない製品は一階に置かざるを得なかったが、これらが通路をふさいで作業効率の低下や納品遅延が起きていた