工場というのはいろいろなケースがあり、エアーを供給する配管やシステムは、さまざまだ。そこで日立産機システムでは、お客さまに合ったきめの細かい営業や計測・診断サービスにより、どこにムダがあり、どこに問題があるのかを的確に指摘して、お客さまにとっての最適な置き換えやシステム変更を、ピンポイントで提案している。ここで大切なことは、問題をはっきりさせることだ。問題がはっきりすれば、日立産機システムがこれまで培ってきた豊富な経験から、お客さまに最適な提案ができるからだ。
ブースタベビコンへの置き換えは利点が多いことがわかってはいても、お客さまによっては、自社の工場の圧力数値をいくつに設定するのが最適なのかがわからないケースもあり、設定圧力を下げることに対して不安を持つこともある。そうした場合は、日立産機システムが誇るサービスエンジニアリングの一環として工場のカウンセリングを行い、工場のラインを止めることなく、最大限の省エネを図れる数値を提案している。
ブースタベビコンのシリーズ構成は、大きく分けてパッケージ(キャビネット)に入った静音タイプの「POBシリーズ」とタンクマウントの「OBBシリーズ」があり、前者で0.4〜11kW、後者で1.5〜11kWまでのラインアップを揃える(図7)。また、使い方によって、増圧装置置き換えモデルと局所適圧モデルの2タイプに分けることもできる。こちらは、ラインごと圧力を上げるのか、ワンバイワンで上げるのかの分類となる。
図7 製品ラインアップ
図8にブースタベビコンの納入実績を示す。この図を見る限りでは自動車関連事業への割合が多いが、納入は特定の業種に固まってはいない。なぜ自動車関係が目立つかといえば、他の業種に比べて、省エネ対応が進んでいるからだ。
ブースタベビコンの導入は、空気圧縮機を筆頭とする工場の省エネ管理に関して、台数制御やインバータ化、配管の整備など、考えられる対策はほぼやりつくしている工場が選択する、究極の打ち手なのだ。導入後の費用対効果が非常に高いためリピート性が高く、導入した多くの企業が自社工場への横展開を積極的に推進している。また、国内工場の効率が実証されたことで海外工場への導入を進めているところもある。
図8 納入先・引合い先の業種・目的
日立産機システムの空気圧縮機が掲げる「適量・適圧・適所」の省エネコンセプトにブースタベビコンは、「適所・適圧」を実現し、これまでにない省エネの効果をお客さまに提案することができる。その効果を、ぜひ実感していただきたい。
(取材:日刊工業新聞社 取材班)