プリント基板製造 J社(製造技術部)
プリント基板製造に定評があり、世界中からオーダーが絶えないJ社。今まで生産量が増えるたびに、コンプレッサーをその都度継ぎ足しては、基板の穴開け加工や洗浄などの工程に使用していた。しかしここにきて、この状況がある問題を引き起こしていた。
問題の原因は、コンプレッサーの導入年がまちまちで、メーカも複数社と多岐に渡っていることから、制御、管理すら難しい状況に置かれていたことでした。
製造技術部のリーダーS氏はこのときの状況を次のように振り返ります。
「中には老朽化が進んでいるモデルも多くあって、予期せぬ故障、例えば夏場の停止はよく発生していましたね。その場合、他の機種を代用して、何とかその場をしのいでいました。またトラブルが発生すると困るのが、メーカのサポートレベルがまちまちだという点です。このメーカはサポートしてくれても、別のメーカでは対象外ということも頻発していて、内部では混乱をきたしていました」
次にどの機種が壊れてもおかしくない状況で、最悪の場合ライン停止を起こす可能性もあることから、S氏たち製造技術部員はいつもヒヤヒヤしていたのでした。
この状況をS氏は上長に相談し、上層部にも掛け合ってコンプレッサーの入れ替えを検討することにしました。ところが、トップからは「入れ替えるなら環境対策、特にCO2削減や省エネ効果を明確に数値化し、実行することが条件の一つだ」と告げられ、製造技術部の中に緊張が走ります。
困ったS氏は、早速、現コンプレッサーメーカに声をかけ、提案を募ることにしました。
あるメーカは機器スペックだけを試算し、素晴らしい効果が出せると提案してきました。
しかしメーカの1社、日立産機システムのアプローチは他社とはまったく違うものだったのです。
現在使用中のコンプレッサーは、導入年がまちまちで、メーカも複数社と多岐に渡り、制御、管理すら難しい状況
あらゆる予期せぬトラブルが発生して、担当部門はいつもヒヤヒヤしていた
入れ替えを検討したところ、トップからはCO2削減や省エネ効果を明確に数値化し、実行することが条件だと告げられた