金属加工メーカ Z社生産技術部
段取り替えにともなう作業時間の中で、想定以上に時間や労力がかかるのが工具や金型、治具といったアタッチメント類の交換作業。現場ではこの時間の短縮に向け、さまざまな試行錯誤が繰り返されている
多品種小ロット生産のオーダーが増えている金属加工メーカのZ社。この流れに対応すべく、日々の生産改善を重ねていました。そのさなか、大口の納入先からさらなる納期短縮の要請を受け、生産技術部のN氏は改善できる工程を探るため、現状調査を行うことにしました。
「調査の結果、段取り替えの際の工具や金型の取り替え作業が全体のボトルネックになっていることがわかりました。しかも、その大半が人的ミスによるものでした。対応策を検討しましたが、具体的にどうして良いかわからなくて・・・」(N氏)
最も深刻だったのは、工具の利用状況の把握ができていないことでした。使用する工具類が今どこにあるのか、使用中なのかがすぐにわからず、見つけるために毎回時間を使っていました。その他にも、製造物に合った工具を装着できていないことで発生する取り付けミス、工具や金型の欠損、すり減りに気がつかず使用することで、不良品を製造してしまうケースも起きていました。
これらの人的ミスは、作業員の経験年数によってもバラつきがあったことから、N氏はどこから、どう改善するべきか、解決策がなかなか見いだせずにいました。
多品種小ロット生産が増える中、段取り替えの際に工具や金型を取り替える作業がボトルネックになっていた
詳細を調べたところ、人的ミスによる時間ロスや作業ミス、不良品製造が多発していたことが判明