ブレーキ付きギヤモータの設定
ブレーキ付きギヤモータの選び方には、必要なブレーキトルクから選ぶ方法や制動時間と制動距離から選ぶ方法などがあります。それらは、次の計式から求めることができます。また、ブレーキは、負荷(相手機械)を停止させる時に仕事をしますが、それぞれのブレーキには耐えられる仕事量(許容制動仕事率)が決められています。使用ひん度と負荷の条件により、負荷に適切なブレーキ付きギヤモータをお選びください。なお、始動ひん度に対する制限は、ギヤモータ本体にもあります。選定の際は、この点もご考慮ください。
遠心分離器のように使用ひん度が少ないが、1回当りの制動仕事量が大きい場合には、1回当りの制動仕事量を許容制動仕事率の2倍以下となるようにブレーキを選定ください。
モータ軸回転速度:N=1400min-1
CA32-075 -100Bの慣性JGM=0.0048kgf・m2 (ギヤモータの慣性J表より)
MS1L-HBCブレーキの定格制動トルクTb=7.7N・mであるから
ブレーキトルクのばらつき:Tb=7.7〜13.86N・m (ブレーキトルクはTb×(100〜180%)の間にばらつく)
ブレーキの制動遅れ時間(ブレーキ仕様表参照)のばらつき:ta=0.01〜0.02sec
ブレーキトルクTbが最小(7.7N・m)で、ブレーキの制動遅れ時間taが最大(0.02sec)のときの全制動時間t1および停止距離 S1を求めます。
ブレーキの制動時間は(2)式より
よって全制動時間は(1)式より
t1=0.02+0.032=0.052(sec)
したがって停止距離は(3)式より
ブレーキトルクTbが最大(13.86N・m)で、ブレーキの制動遅れ時間taが最小(0.01sec)のときの全制動時間t2および停止距離S2を求めます。
ブレーキの制動時間は(2)式より
よって全制動時間は(1)式より
t2=0.01+0.020=0.03(sec)
したがって停止距離は(3)式より
停止精度S'は
より