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情報誌VoltAge21

躍進する企業を訪ねて vol.139 大成ラミック株式会社

DANGAN ASTRON MARKUに搭載された日立産業用インクジェットプリンタ「Gravis UXシリーズ」 (左)
充填されたパッケージ(右)
DANGAN ASTRON MARKUに搭載された日立産業用インクジェットプリンタ「Gravis UXシリーズ」 (左)
充填されたパッケージ(右)

大成ラミック株式会社

“包む”ことにこだわり、食品業界を支える
液体・粘体用包装フィルムと高速充填機のトップメーカー。

私たちの食生活に欠かせない、
小袋に詰められた液体調味料や多種多彩な具材。
おいしさをそのままに安全に包装するためには、特殊な包装フィルムと、
高速で充填し密閉する技術が欠かせません。
大成ラミック株式会社は、液体・粘体用包装フィルムと充填機で、
業界の先頭を走るメーカーです。
今回はフィルムと充填機に加え、
食品業界のお客さまに対するサポート力を強みとする同社と、
充填機に搭載されている日立産機システム製品についてご紹介します。

大成ラミック株式会社

大成ラミック株式会社

代表取締役社長 :
木村義成
設立 :
1966(昭和41)年
所在地 :
本社/埼玉県白岡市下大崎873番地1
従業員数 :
499名
事業内容 :
液体・粘体包装フィルムおよび充填機の開発・製造・販売
◎公式サイト https://www.lamick.co.jp

独自の「包装フィルム」、先進の「充填機」、
全国規模の「顧客オペレーション」で業界をリード

 食品業界において、個別包装した液体調味料や具材は欠かせません。それらに使用されるフィルムと充填機を、開発・製造・販売しているのが大成ラミック株式会社です。社名の「ラミック」は、包装資材である積層フィルムの「ラミネーション」と「パッケージ(パック)」を合わせたオリジナルのネーミング。“包むこと”の原点が竹皮であること、また、強く・しなやかに成長する様子が同社のめざす企業像と重なることから、ロゴマークには竹のモチーフが使われています。

 1966(昭和41)年、汎用包装資材の加工会社としてスタートした同社は、1980年代半ばに小袋調味料が粉末から液体に変わりつつあった市場の変化を捉え、液体包装へと事業を転換、成長への扉を開きました。

大成ラミック株式会社 執行役員 デベロップセンター
センター長  新井宏一 様
大成ラミック株式会社 執行役員 デベロップセンター
センター長 新井宏一 様

 執行役員 デベロップセンター センター長の新井宏一様は、「他に先駆けて、高速充填と1,000分の1mm単位の加工精度を可能とする液体・粘体用包装フィルムを開発し、高い市場シェアを獲得しました。しかし、当時は充填機の性能が追いついていなかったこともあり、当社のフィルムを活かすために充填機も当社で開発・製造することにしました」と振り返ります。そこで、日本精機株式会社との共同開発により1992年に市場投入したのが、『NT-DANGAN』シリーズ。開発コンセプトは「高生産性、再現性、耐久性」でした。同シリーズにより、高速液体・粘体包装フィルムのリーディングカンパニーとしての地位を確立してからは、独自開発の『DANGAN G』シリーズにおいて一段と性能を高め、現在は、先進の『DANGAN G2』とさらなる市場拡大を担う『DANGAN ASTRON』を開発するなど、トップクラスの技術力を誇ります。

 また20年前から力を入れているのが、お客さまを支援するオペレーション機能です。「フィルムの知識や充填機の操作などについて学んでいただけるセミナー(S.O.L.P.)の開催を核に、幅広いサポート機能を充実させてきました。その拠点として星川DANGAN’S STUDIOを、2017年に本社に開設しました」と語る、デベロップセンター 教育・知的財産部 部長代理の菅原丈二様。これで、お客さまのご要望にお応えできる体制がさらに充実しました。

多様な用途に合わせたフィルムと
新たな充填機の開発で、さらに競争力を高める

大成ラミック株式会社
デベロップセンター
教育・知的財産部
部長代理  菅原丈二 様
大成ラミック株式会社
デベロップセンター
教育・知的財産部
部長代理 菅原丈二 様

 市場シェアトップを誇る同社の液体・粘体用包装フィルムの強みは、さまざまなお客さまのご要望にお応えする中で進化させてきた、独自の開発力です。

 DANGANソリューション事業部 カスタマーサポート部 部長の吉村博様は、「匂いが出ないように、製造途中で空気に触れないように、などのご要望に合わせて、その都度、フィルムを設計することから始まります」と、言います。

 またフィルムには、使いやすさや耐久性に加え、高速充填をするために、わずかな時間でしっかりと圧着できる特性が求められます。低温で融かして圧着し固まるまで、1個あたり1秒以下。充填するものの粘度や温度もさまざまです。さらに充填すると小袋の形が変わってしわが入ったり破れたりすることもあるので、高速充填を実現するためにフィルムには高い性能が求められるのです。

星川DANGAN’S STUDIO 展示ルーム
星川DANGAN’S STUDIO 展示ルーム

液体の充填。
速さと正確さが求められる
液体の充填。
速さと正確さが求められる

S.O.L.P.では実機を使用して解説
S.O.L.P.では実機を使用して解説

ロビーに並んだ歴代の充填機。充填速度、重量などの面で進化を遂げてきた
ロビーに並んだ歴代の充填機。充填速度、重量などの面で進化を遂げてきた

 「例えば同じソースでも、外気温によって充填の仕方は変わります。またフィルムを保管している場所の温度によっても充填機の設定を変えることがあります。ですから用途に合わせて、充填条件を設定しやすい汎用性の高いフィルムとともに、お客さまのニーズに合わせた何百何千という種類のラインアップを揃え、あらゆるご要望にお応えできるようにしています」と、吉村様は胸を張ります。また、ユニバーサルデザインに基づいた、開封しやすい『アンプルカット』や、『スタンディングパウチ』など、市場ニーズを先取りした機能開発も評価を得ています。さらに、押して中身を出す『ぷちっとパウチ』、少量使いきりサイズ、店頭にそのまま陳列できるスタンド型『インストパウチ』など、斬新な包装形態を次々と提案し、食品メーカーやコンビニエンスストア、食品スーパーなどのお客さまに貢献しています。

 一方、フィルムの開発とともに、ぷちっとパウチ専用充填機『DANGAN ORIOS』、大袋対応の縦ピロー液体充填機『DANGAN LaPLUS』など、新しい市場ニーズを開拓する充填機の開発も進めてきました。また、食品の安全性とおいしさを守るために、充填された小袋に賞味期限を印字するプリンタを搭載した充填機は、1995年から市場に投入してきました。

海外市場も見据えながら、
新たな機能、新たな価値を提供したい

大成ラミック株式会社
DANGANソリューション事業部
カスタマーサポート部
部長 吉村博 様
大成ラミック株式会社
DANGANソリューション事業部
カスタマーサポート部
部長 吉村博 様

大成ラミック株式会社
DANGANソリューション事業部
生産本部 ファクトリーセクター
新潟事業所 業務グループ
マネージャー  小笠原孝志 様
大成ラミック株式会社
DANGANソリューション事業部
生産本部 ファクトリーセクター
新潟事業所 業務グループ
マネージャー 小笠原孝志 様

 同社の主力製品である『DANGAN』シリーズに搭載されているのが、日立産機システム製の産業用インクジェットプリンタです。

 「小袋をロット管理するために、特約店の八洲電機さん、日立産機システムさんと、直接食品にふれない印字を実現するために取り組んだのがきっかけです。いろいろなプリンタがある中で、印字速度が速く、全国規模のサービス網と世界的なブランド力があることから、日立さんの製品を選びました」と、新井様は導入の経緯を紹介されました。

 充填機を設置したお客さまの製造現場の状況や充填物は多種多様なので、高速で小袋に小さな文字を正確に印字することは、当初は簡単ではなかったといいますが、3社で力を合わせて実績を重ねてきました。

 「インクジェットプリンタについてはとても満足しています。納入時には、お客さまのご要望に応えていろいろな条件で試験運転を繰り返していただいたり、アフターサービス面ではトラブル発生時の対応や行動が迅速ですし、大変助かっています」と、吉村様。一方、DANGANソリューション事業部 生産本部 ファクトリーセクター 新潟事業所 業務グループ マネージャーの小笠原孝志様は、「お客さまもコストダウンでご苦労されているので、価格面でのご協力もぜひお願いしたいですね」と、付け加えられました。

印字検査装置「MC-20S」(左)と
日立産業用インクジェットプリンタ「Gravis UXシリーズ」(右)
印字検査装置「MC-20S」(左)と
日立産業用インクジェットプリンタ「Gravis UXシリーズ」(右)

高速印字を担う印字ヘッド
高速印字を担う印字ヘッド

食の品質管理に欠かせない
クリアな印字
食の品質管理に欠かせない
クリアな印字

 2011年にはアメリカに子会社を設立、2016年にはマレーシアの同業他社を子会社化し、世界展開を進めてきたという同社。今後は、和食文化が根づき、日本人の進出も増えている米国やアジア地域でのさらなる成長が期待できるといいます。

 「国内市場を伸ばしつつ、技術・製品・人材のグローバル化を進めています。お客さまである食品業界では人材不足が進むので、ファクトリーオートメーション化にも貢献できる製品を開発していきたいですね」と、展望を語られる新井様。「食品業界では、今後もインクジェットプリンタは欠かせません。これからもご協力をお願いします」とのお言葉もいただきました。

 日立産機システムは、大成ラミック様のご期待に応えてさらに貢献できるよう努めてまいります。

お客さまのベストパートナーをめざして
日立産機システム 製品関係者 インタビュー