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情報誌VoltAge21

躍進する企業を訪ねて  vol.131

ガス用EF(エレクトロフュージョン)コントローラチェッカー
ガス用EF(エレクトロフュージョン)コントローラチェッカー

レッキス工業株式会社

「切る」「つなぐ」「環境保全」をテーマに、
社会を支える配管のさまざまな課題に応える。

レッキス工業株式会社は、社会を支え、命をつなぐライフラインであるガスや上下水道、
建物内の配管工事・メンテナンス・部材加工に使用される
配管用機器のメーカーとして高い評価を得ています。
近年は、配管工事の効率化や高品質化、スマート化に欠かせない、
さまざまな機器や工具を次々に開発。業界をリードし続けてきました。
今回は、耐震性の高い管材を自動で確実に融着させるための「コントローラ」と
それを点検する「コントローラチェッカー」を生み出した同社の技術開発力、
そして同社の製品に貢献する日立産機システム製品をご紹介します。

レッキス工業株式会社

レッキス工業株式会社

代表取締役社長 :
宮川恭一
代表取締役社長 :
宮川純一
創業 :
1925(大正14)年8月
所在地 :
本社/大阪市中央区西心斎橋1丁目4番5号
工場/大阪府東大阪市菱屋東1丁目9番3号
従業員数 :
180名(グループ合計300名)
事業内容 :
パイプマシン・各種切断機・融着機器・銅管工具・
ダイヤモンド機械工具・環境機器などの企画、開発、設計、
製造、販売、水処理事業、ホースアメニティ事業など
www.rexind.co.jp

ライフラインを支える配管用機器で、
時代の変化に合わせた革新的な技術を提供

ポリエチレンのガス管を熱で
融着する
ポリエチレンのガス管を熱で
融着する

 ガスや上下水道は、社会を根幹から支えるライフラインです。レッキス工業株式会社は、ガスや上下水道、建物内の配管工事・メンテナンス・部材加工に使用される配管用機器のリーディングカンパニー。主力製品のパイプマシンをはじめ、切断機、融着機器、銅管工具、管の検査や保全に関わる環境機器の企画から開発・製造・販売・アフターサービスまでを一貫して行っています。

 同社の事業は、1925(大正14)年の輸入工具の国産化、手動ねじ切り機の製造からスタートしました。その後、機器の電動化・小型化が進み、パイプも1990年代以降は鉄から耐震性に優れたPE(ポリエチレン)へと移行。さまざまな配管方法や接合方法の中で、ライフラインに対する市場ニーズの変化に合わせて、安全性の追求、デジタル化による効率化、ユニークなアイデアによる技術革新、明るい人間社会の未来をめざして環境性を追求してきました。

レッキス工業株式会社 国内営業統括本部 マーケティング部
部長  花澤俊治 様
レッキス工業株式会社 国内営業統括本部 マーケティング部
部長 花澤俊治 様

 「『パイプを切る』『パイプをつなぐ』『環境保全』の3つのカテゴリーで、ライフラインを支える配管設備の提案や課題解決のために、高い技術力とアイデアで社会に貢献している“PIPING SOLUTION”企業だと自負しています。配管についての課題は、管材メーカー様、都市ガス事業社様、ゼネコン様、設備サブコン様などを先進的なビジネスパートナー、開発パートナーとして位置づけ、関係を継続・強化してきました。これらのパートナーから得た情報をもとに製品開発に取り組むことが、当社の独自性の一因となり、時代の先を行くオンリーワン、ナンバーワンの製品に結びついていると思います」と、国内営業統括本部 マーケティング部長の花澤俊治様が同社の強みを紹介してくださいました。

 「社会を支え、社会に貢献してきた当社は、創業以来守ってきた『三利の向上』という社是のもと、お客さま・社員・社会の三者が共に利があるように努め、互譲・信頼によって、共栄・共福をめざしてきました。CSRという言葉がなかった時代から、地域社会や環境に貢献してきた実績は、私たちの誇りです」と、花澤様は胸を張ります。

独自の開発力と技術力が生み出した、
トップシェアを誇るPE管融着機器

レッキス工業株式会社
商品開発部 電子ソフト開発グループ
グループリーダー  遠藤智之 様
レッキス工業株式会社
商品開発部 電子ソフト開発グループ
グループリーダー 遠藤智之 様

 同社は、「パイプを切る」「パイプをつなぐ」ための幅広い配管用機器や工具を揃えていますが、今回注目するのはパイプをつなぐための機器。近年、ガスや上下水道用の管材は、耐震性や耐腐食性が高く、しかも軽量で扱いやすいため、工事期間が短縮でき、総合的なコストメリットがあるPE(ポリエチレン)管が主流となっています。施工後の品質において妥協が許されない配管工事において最も大切なのは、PE管を安全で確実につなぎ、配管の接合部の高い耐久性を実現することです。

 そこで同社の独自の技術力とパートナーの協力やアドバイスによって生み出されたのがコントローラです。コントローラとは、PE管に埋め込まれた電熱線に通電し、発熱させることでPE管と継ぎ手を溶融して接合する装置。同社は2001年に完全自社開発のガス用PE管バーコード式EFコントローラを、続いて5社共同で配水用PE管共用型EFコントローラを開発・販売しましたが、2016年に発売した新型のコントローラは、簡単なスイッチ操作で、正確かつ自動的にPE管をつなぐことができます。

多岐にわたる製品群が展示されたショールーム
多岐にわたる製品群が展示されたショールーム

コントローラの最終検査
コントローラの最終検査

修理やオーバーホールも行う
修理やオーバーホールも行う

ショールームの歴史ゾーン
ショールームの歴史ゾーン

製造ライン
製造ライン

 商品開発部 電子ソフト開発グループのグループリーダーである遠藤智之様は、「新型コントローラのコンセプトは、『頑丈、強固』。部品をパーツ化して、交換することで、いつまでも安全に、長く使い続けることができるものです。しかも、多くの異常検知機能を備え、融着した履歴を記録し、GPS機能により位置情報も確認できるので、正確でスピーディな融着と点検に役立ちます。阪神淡路大震災以降、緊急時使用を見据えた規格統一の開発競争がありましたが、当社に開発依頼が集中し、今ではOEMを含めると累計2万台を超え、トップシェアを誇ります」と、語ります。

 「当社の製品が選ばれるのは、培ってきた技術力のたまものです。制御機器の基盤やGPSデータの処理などの核となる技術ができ上がっているので、他社よりも開発スピードが速いのです。規格を守りながら、それぞれのお客さまに合った独自の仕様や製品を迅速に提案、ご提供しています」。

数多くのメーカーから選んだPLCで
全自動のコントローラチェッカーを開発

レッキス工業株式会社
商品開発部
電子ソフト開発グループ
田渕隆司 様
レッキス工業株式会社
商品開発部
電子ソフト開発グループ
田渕隆司 様

 ミスの許されない配管工事では、融着を制御するコントローラ自体を検査器(チェッカー)で点検します。従来のチェッカーは、点検者が電圧や電流を確認し、機器を操作してコントローラを検査します。これでは点検精度は作業者の技量によって左右されることもありました。そこで同社では、ほとんど人の手を必要としない全自動のコントローラチェッカーを開発。タッチパネルの操作だけで格段に精度の高い検査を実現することができるようになり、検査時間も半減。エビデンスやトレーサビリティが重視される中、電子データの管理も容易になりました。その制御部分にご採用いただいたのが、日立産機システム製PLC(プログラマブルコントローラ)でした。

コントローラチェッカーに使用されている日立製PLC
コントローラチェッカーに使用されている日立製PLC

コントローラには、
日立製スイッチも採用されている
コントローラには、
日立製スイッチも採用されている

工場の操業に欠かせない
日立製圧縮機
工場の操業に欠かせない
日立製圧縮機

日立製の500kgモートルブロック
日立製の500kgモートルブロック

 商品開発部 電子ソフト開発グループの田渕隆司様に、ご採用の経緯をご紹介いただきました。「検討段階では、たくさんのメーカー製品を実際に操作し、ソフトの組み方や仕様、価格などを確認しました。その中で、当社のコンセプトに一番ぴったり合ったのが日立産機システムさんです。PLCでの開発には不安もありましたが、過去のお付き合いからアフターサービスも万全だとわかっていましたので、迷いはありませんでした。プログラミングがうまくいかない時は、何度も足を運んでいただき、スケジュール通りに開発を終えることができました」。

 国内では、新設よりも更新需用が多く見込まれるガスや上下水道の工事。「今後は、更新需要を取り込むために、検査・測定の機器を充実させるとともに、新たに勝負できる製品も開発していきたいと思います」と、花澤様は意欲的に語ります。「日立産機システムさんには、柔軟な対応をしていただいていますが、さらにPLC用のサンプルプログラムの展開を含めて、IoT関連などの新製品の情報やアドバイスをいただけるとうれしいですね。これからもビジネスパートナーとともに新たな世界へもチャレンジしていきますので、ぜひ力を貸してください」、とのメッセージもいただきました。

 日立産機システムは、大切なライフラインを支え、社会に貢献する同社の皆さまに、さらに喜んでいただけるご提案をしていきたいと思います。

お客さまのベストパートナーをめざして
日立産機システム 製品関係者 インタビュー