ページの本文へ

Hitachi

情報誌VoltAge21

エコファクトリー・レポート 習志野事業所 [4]

エコファクトリー・レポート

日立産機システム 習志野事業所 [4]

集約化と効率化

工場内変圧器の集約化と効率化で
長期的な省エネ・節電を実現

工場の持続的な省エネの取り組みを支える、
変圧器の集約化と効率化

日立産機システムの習志野事業所は、数々の優れた省エネ成果をあげてきたことから、
日立グループのエコファクトリーセレクト事業所として認定されています。
今回は、工場内で稼働している数多くの変圧器の集約化を進めるとともに、
当社の主力製品である先進のアモルファス変圧器を
計画的に導入することで達成した省エネの成果をご紹介します。

  • * 日立グループにおけるエコファクトリー&オフィスセレクトとは、
    地球温暖化防止や資源の有効利用など環境への取り組みを評価し、高いレベルで環境に配慮し、成果をあげていると認定した事業所のことです。

日立産機システム 習志野事業所

長期的な省エネは、エネルギーの出口より、入り口に注目!
受配電ポイントの変圧器にはロスとムダが潜んでいる

省エネを進め、節電を実現するには、電気の使い方や電気を使う設備・機器を見直し、必要があれば更新します。しかし、対策がつい後回しにされがちなのが長い寿命を持つ変圧器です。20年以上たってもしっかりと稼働しているので、工場内の設備・機器が更新されても、変圧器は古いままということはよくあることです。

習志野事業所では操業開始から51年、多くの工場建屋が40年以上経るなかで、1997年ころから変圧器の老朽化という問題に直面することになりました。当時設置していた変圧器は、無負荷損失と負荷損失を合わせた全損失が「トップランナー変圧器」における第一次判断基準の2.3倍、第二次判断基準の2.5倍となってしまうため、使う側での省エネ取り組みの成果を損なってしまいます。また30年以上経過すると、絶縁破壊に至る可能性が高まり、変圧器が機能しなくなるというリスクも高まります。そこでまず構内の変電所40ヵ所にあった179台の変圧器の劣化状態や使われ方などをすべて調査し、それぞれに優先順位をつけ更新計画を策定するとともに、変圧器の集約化に取り組みました。

長期的な省エネは、エネルギーの出口より、入り口に注目!

集約化とは、変圧器の数を減らし効率的な稼働を追求することですが、習志野事業所では、179台の変圧器の1台1台が受け持つ範囲の負荷を正確に計算して計画的に152台に集約化。それまでの全損失の約48%を削減できました。これは、すべての変圧器が効率的に稼働していたわけではない、という調査結果に基づいています。具体的には、工場内の設備や機器が操業以来の省エネの取り組みによって使用電力が低減されてきたため、設置した当時より1台1台の変圧器の最大需要電力と設備容量の割合(需要率)が低下していたことや、生産ラインの海外への移管など、工場の生産体制が変わったことなどがその背景にありました。

変圧器全体の需要率が低下し、思いがけない損失が発生しているという課題は、習志野事業所に限らずお客さまの工場でもありうることです。生産の拡大傾向を前提にした大型変圧器や無用な変圧器の存在が、省エネの取り組みを阻み、工場のランニングコストの増加につながっているのなら、早急な対策が望まれます。

もっとも効果的な超高効率変圧器へのリプレイスは、
費用対効果を考慮し、計画的に展開していく

習志野事業所では、変圧器の集約化とともにその効率化に取り組みました。効率化とは、旧製品の変圧器を高効率で省エネタイプのものに優先順位にしたがって計画的に更新していくことです。これまでに22台の変圧器を当社製のアモルファス変圧器に更新しました。どんな変圧器も24時間365日休みなく稼働していますが、その間たえず電気を消費しています。アモルファス変圧器は、電気を通すコイルが巻かれた鉄心部分に電気特性に優れたアモルファス合金を用いることで、無負荷損失を大幅に削減したもので、旧製品(30年前)と比較して約5分の1、トップランナー変圧器2014と比較しても半分程度に無負荷損失を低減することができます。

変圧器の効率化においては、高い省エネ性能のものに置き換えることだけではなく、費用対効果のうえからダウンサイジングも検討しています。既存の変圧器が500kVAのものだったら、そのままの容量で更新するのではなく、実際の需要率を計測して300kVAや200kVAの省エネタイプの変圧器に更新することを検討します。

習志野事業所における変圧器の集約化や効率化の取り組みにより、年間699MWh、約900万円に相当する電力削減を実現することができました。この削減効果は今後も持続していくことが期待されます。しかし、当事業所の取り組みはこれで終了するものではなく、今後も集約化と効率化計画を着実に推進し、エコファクトリーとしてさらなる挑戦を続けていきます。

エコファクトリー・レポート 日立産機システム 習志野事業所 エコファクトリー・レポート 日立産機システム 習志野事業所 [3] エコファクトリー・レポート 日立産機システム 習志野事業所 [5]