「Hitachi Social Innovation Forum 2018 -TOKYO-」に出展しました。
日立の強みであるOT×IT×プロダクトを組み合わせた
進化した社会イノベーション事業の成果や今後の展望などをご紹介する
「Hitachi Social Innovation Forum 2018 -TOKYO-」。
日立産機システムは、IoTに関わる最新の事例をご紹介しました。
産業界のIoTを推進する「つながる製品」と「つなぐ製品」
当社は、「つながります」と「つなぎます」という2つのコンセプトで、生産現場、工場全体、経営層、サプライチェーンまで、いろいろな階層をつなぐIoTの技術を使って、これまでは見ることができなかった生産現場のさまざまな情報を集め、見える化するとともに、それをお客さまにとって価値あるモノに変えていく仕組みづくりを進めています。
「つながります」というコンセプトは、通信機能を標準装備したIoT対応空気圧縮機をリアルタイムでクラウド監視ができる「FitLive®」サービスとして具体化しています。IoTの技術を使ってつながることで、当社の製品がお客さま先できちんと稼働しているかどうか、お客さまの事業に貢献しているかどうかを見守ることができます。すでに何千台もの空気圧縮機がつながり、お客さまからの稼働データが日々リアルタイムでどんどん蓄積されています。現在は、蓄積した膨大なデータを「お客さまの経済的価値にいかに変えるか」をめざし、日立グループの力を結集してAIやデータ分析ツールを駆使して実証実験をしているところです。
次に「つなぎます」というコンセプトをご紹介します。生産ラインの設備機器はラインの中では最適化されていますが、サプライチェーンや他の会社とつなぐためには、これまでの稼働情報をもとのラインを超えて皆で使えるデータとして整理するために、人手による膨大な作業が必要です。「つなぎます」という製品は、この煩雑な作業を自動的に完了させることができます。それが、当社のIoT対応産業用コントローラ「HXシリーズ」や通信やネットワーク構築を支えるIoT/M2Mコンポーネントソリューション、活用されていない死蔵データを生かす技術などです。この分野の技術進化は、IoTに関する世界で共有した基盤(グローバルプラットフォーム)づくりにもつながっていくことが期待されています。
OTの推進において重要な情報セキュリティへの貢献
さらに、「つながります」と「つなぎます」という2つのコンセプトに基づく製品のご提供とともに、当社は情報セキュリティのさらなる進化に貢献したいと考えています。これまで、IT(Information Technology)分野ではセキュリティ技術が大きく進化しましたが、OT(Operational Technology)分野ではその対策が十分とは言えません。そこで現在、ITの部門、セキュリティ部門と協働して、IoTの便利さを提供するバックエンドの運用面での情報セキュリティの向上に関わる製品・技術の開発を進めており、今回の展示でその一部をご紹介しました。
工場のイノベーションを実感できる習志野事業所
産業界のIoTは、すでに大きく生産現場を変えつつあります。その現状を多くのお客さまに体験していただくために、当社の習志野事業所ではIoTに関する生きたショールームを2018年11月にオープンさせました。
これは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーを総称する日立の「Lumada」の活用事例を、実際に見学できるモデル工場の一つにしようというプロジェクトです。
ショールームでは、IoT対応産業用コントローラ「HXシリーズ」と「LCMサービス(ライフ・サイクル・マネジメントサービス) FitLive®」、そして工場エネルギーのトータル監視システムである「FEMS」が、習志野事業所の生産現場で実際に稼働し、価値を生んでいるところを見ていただくことができます。コンセプトは「手の届くIoT」です。大きな設備投資がなくても実現できるIoTをめざし、お客さまがIoTの効果を実感できるようなショールームにすることで、日立産機システムと一緒に新しいものをつくっていきませんかと、お声をかけることができる場としてきます。
「つながる製品」と「つなぐ製品」でお客さまの利益につなげる
IoTに関する当社の基本方針は、つながる製品とつなぐ製品をつくって、それをお客さまの利益につなげていくことです。お客さま先の設備機器のメンテナンスや修理に関しては、すでにIoT技術は貢献し始めていますし、お客さまからのご意見やご要望が当社の製品やサービスの向上に反映することも増えてきました。
例えば、空気圧縮機の導入からアフターサービスまで、お客さまのニーズに沿った高付加価値なサービスを提供しているLCMサービス(ライフ・サイクル・マネジメントサービス)では、お客さまの声と当社のサービススタッフや特約店様の声を反映して、監視画面の見え方やアクセスできる情報が日々進化を重ね、大きく変わり使いやすくなりました。これは、スマートメンテナンスやスマートリペアのモデルケースとして、今後もさらに発展させていきたいと考えています。
今回は、当社の製品をお客さまに見ていただいて、「つながります」と「つなぎます」というコンセプトがどこまでカタチになっているのかを見ていただくことができました。ご来場のお客さまからはさまざまなご意見をいただき、勇気づけられる思いを深くしました。今後も生産現場、モノづくり現場のIoT推進に貢献できる製品と技術、そして新しいアイデアをご提案し、新たな価値をお届けしていきたいと思います。
( vol.102・2019年1月 掲載 )