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Hitachi

株式会社 日立産機システム

ここにも利用できるエネルギーがあります
未利用水力エネルギーを利用しませんか?

現在、地球温暖化問題への世界的な取り組みが進む中、環境へ与える負荷が小さく、資源制約の少ないクリーンな未利用エネルギーの有効活用が求められています。日立では、これまで見逃されていた未利用水力エネルギーを発電水車により電気エネルギ−として回収する「エネルギー回収システム」をご提案します。回収した電力は設備の動力を低減したり、照明・給湯用などさまざまな用途でご活用いただけます。改正省エネ法が施行されて以来、省エネニーズはますます高くなっています。日立はエネルギー回収システムでお客様のソリューションにお応えします。

概要

図:エネルギー回収システム構造

「エネルギー回収システム」は、有効落差に応じた水車の最適回転速度制御により高効率のエネルギー回収を実現し、また配管の途中に設置可能なように発電機一体型インライン水車を採用し、小型コンパクト化を実現しました。
環境への負荷低減を目的に当社の流体技術・モータ・制御の技術を結集し、未利用エネルギーの高回収を実現した特長ある製品です。

写真:エネルギー回収システム(3kW機種の例)
3kW機種の例

写真:エネルギー回収システム(9kW機種の例)
9kW機種の例

特長

1.エネルギー回収率約60%の高効率

例えば、有効落差35m、流量2.8m3/minの場合に出力9kWを実現。(エネルギー回収率がMAX59%)

2.電気出力のため多様な負荷に対応が可能

インバータ駆動している機器には、コントローラから直接インバータへ直流送電。また、系統連系装置を介して単相200V、三相200Vの交流送電も可能です。

3.落差、流量に応じ、さらに多くの電力回収も可能

ビルや設備位置の高さ、落差、流量に応じてより多くの電力を回収できます。高層で落差が大きい場合は水車を直列運転させ、また流量が多い場合は並列運転させる(3kW機種の場合)など、規模に見合った対応が可能です。

4.省スペースで取り付けられます

本体は水車、発電機が一体構造で、小型、軽量。配管途中に設置可能なインライン設計で、狭い空間でも取り付けられます。

5.バイパス配管(オプション)も可能

水車・発電機本体の保守時も、バイパス配管設置により運転に支障はありません。

用途

  • ビル空調の蓄熱式冷温水供給サイクルに
  • 工場内の冷却水系統に
  • ホテル・学校の空調系統に

適用基準

(1)使用環境

周囲温度:0〜40℃(凍結なし)
周囲湿度:20〜85%(結露なし)

(2)使用条件

水質:水道水相当pH5.8〜8.6(不凍液混入は可能)
液温度:0〜80℃

(3)設置場所

屋内及び、設置小屋(防雨・防風)内

建物空調における使用例

ビル空調システムにおいて蓄熱式冷暖房システムを導入している場合

3kW機種インライン設置例

図:3kW機種インライン設置例

9kW機種インライン設置例

図:9kW機種インライン設置例

性能曲線

性能曲線

製品仕様

項目 EBS F80H EBS F80M EBS F80L EBS F125H EBS F125M
水車口径 80mm 80mm 80mm 入口100mm
出口125mm
入口100mm
出口125mm
発電効率 MAX 56% MAX 57% MAX 61% MAX 59% MAX 66%
出力 0.5〜3.0kW 0.5〜2.6kW 0.5〜3.5kW 1.0〜9.0kW 1.0〜9.0kW
流量 0.6〜1.05m3/min 0.7〜1.08m3/min 0.8〜1.38m3/min 1.5〜2.8m3/min 1.8〜3.15m3/min
有効落差 10〜34m 9〜26m 8〜27m 10〜35m 8〜26m
最大流入圧力 1.0MPa 1.0MPa 1.0MPa 1.0MPa 1.0MPa
重量 53kg 48kg 46kg 182kg 182kg

寸法図面

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省エネ効果

【省エネ効果計算式】

省エネ効果金額=エネルギー回収システム出力×電気代単価×稼働時間×年間稼働日

【例1】〜コンピュータ室の空調、工場設備の冷却水など連続運転する場合〜

流量2.8(m3/min)、有効落差33(m)の場合9(kW)を出力
年間省エネ効果金額=9(kW)×19(円/kWh)×24(hr)×365(日)=1,497,960円

【例2】〜オフィスビルなど季節により稼働状況が変化する場合〜

流量2.1(m3/min)、有効落差32(m)の場合5.4*(kW)を出力

※2台並列運転時
年間省エネ効果金額=5.4(kW)×19(円/kWh)×12(hr)×250(日)=307,800円

電力会社との契約料金、流量、落差、稼働状況により年間省エネ効果金額は変わります。

運転方式決定上の注意事項

  1. 年間を通じての最大流量で選定してください。
  2. 流量が水車の適用範囲を超える場合は並列設置になります。
  3. 落差が水車の適用範囲を超える場合は直列設置になります。

【直列運転】

  1. 最高流入圧力(水車入口側圧力)は最大1(MPa)までとなります。
  2. 有効落差は各水車の設置場所で変わります。

【並列運転】

  1. 水車入口側および出口側にヘッダー管が必要となります。
  2. 並列設置の場合でもバイパス管は1本で対応します。
    (但し、最大流量によりバイパス管口径は異なります。)