搬送機器メーカ Z社(設備設計部)
搬送機器の製造を手掛けるZ社では、好調な通販向け倉庫システムなどのビジネス拡大に対応するため、ワンストップで提供・サポートが可能な自社製機器とのセット販売強化について検討を行うため、プロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトを統括することになった設備設計部のM氏は、検討を進める上で過去の事例や主要な顧客先にヒアリングを行い、現状を調べてみることにしました。すると、次のような課題があることが分かったのです。M氏はこのことを次のように語ります。
「搬送機器と一緒に使用するコンプレッサーなどをお客様が別手配するのは、手間がかかるうえに故障の際の切り分けなどが厄介なので、一緒に納められないかといった要望が多く聞かれました。セット販売の方向性は間違っていなかったので、ホッとしました」
この他にも、「小型なモデルがあれば場所を取らなくて良い」、「もっと静かなモデルはないのか」、「省エネ対応」など、セットにするコンプレッサーについての意見が散見されたのです。
M氏は営業現場での課題についても、自社の営業にヒアリングを行いました。そこで聞かれたのはスペックやサポートに関する課題ばかりでした。
「納品エリアによっては、機器類の50/60Hzといった対応周波数の設定に注意しなければならず、この件で後々トラブルに発展したり、サポートエリアがまちまちで不安だったりと、不満が多くて、このプロジェクトは前途多難です…」
これらの課題が一気に解決できて、深く付き合えるメーカはないか、コンプレッサーの知見があまりないZ社にとって不安は尽きず、この状況にM氏は頭を抱えてしまいました。
導入前
顧客からは、セット販売について前向きな要望が多く、実現が加速
一方、営業からはスペックとサポートなど、自社ではどうすることもできない課題が露呈