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日立産機システム 20年の歩み

第2章 グローバルトッププレーヤーへの挑戦
(2012年度〜2021年度)

2012年度〜2015年度 グローバルプレーヤーをめざした成長戦略の実行

日立産機システム設立10周年を迎えた2012年4月、長野社長が顧問に就任し、第3代社長に青木優和が就任した。
青木社長は「世界情勢が変化する中で、我々自身が変わらないことはリスクであり、新しいことへ勇気をもってチャレンジ」しようと呼びかけた。
そして、2013年3月に「2015中期経営計画」を策定、経営ビジョン「産業機器分野での最適『製品×ソリューション』のサプライヤーになる」「グローバルプレーヤーへのステップアップをめざす」を掲げ、経営目標として「2015年度売上高1,800億円 海外事業比率30%」を目標に定めた。

2012年度 新事業開拓、グローバル展開へ積極的な施策

「JUMP UP 2015作戦」のもとサ・販・製一体の展開


第3代社長 青木優和


日立産機システム設立10周年感謝の集い

日立産機システムは、5月に帝国ホテル(東京)にて国内特約店71社、海外販社・販売店52社を集めた「日立産機システム設立10周年感謝の集い」を開催し、青木新社長のもとでの新体制のキックオフを行った。
また、東日本大震災から1年、再建なった東北支社を中心として、壊滅的な津波被害を受けた石巻埠頭サイロをはじめUR 都市機構東北(仙台)など、地域社会を担うお客さまの復興に全力を投じてきた。
事業展開では、「JUMP UP 2015作戦」のもと、主要事業の製品力の強化、モータ・開閉器のHitachi Industrial Technology(Thailand)LTD.(HITT)、インバータ・圧縮機の南京日立産機有限公司(HINC)などグローバル供給拠点の生産力強化を進めた。さらに、販売・サービス網の強化とともに、サービス・エンジニアリング事業における新規ビジネスモデルの展開、新エネルギー関連製品の開発、産業用M2M 無線通信などの新事業の開拓などに力を注いだ。

主要事業の取り組み


高効率モータ ザ・モートルNeo100
Premiumシリーズ

圧縮機事業では、マレーシアで自社ブランド展開を進める販売店の拡充を図った。循環型事業への取り組みでも、中国・東南アジアにおける省エネ計測診断が66件を数えた。一方、メキシコでも重点販売店に対する支援を行い、自動車関連の日系企業からの受注獲得に成功した。
製品では、2012年8月に交互運転盤Dual RollerV(SDR-3)、10月に日立ベビコン台数制御盤 ベビコンローラBR-1M を発売した。また、12月に日立小型空気圧縮機パッケージオイルフリーベビコンNEXTシリーズ(11/15kW)を発売し、シリーズ化を完成している。2013年1月にはオイルフリースクリュー圧縮機 DSP NEXTシリーズ(22/30/37kW)を発売した。
インクジェットプリンタ(IJP)事業では国内外でのシェアアップに向けた製品力強化と並行して、トータルマーキング事業の構築に向けてアフターマーケット強化に取り組んだ。IJP は海外事業比率が50% を超えており、事業拡大に向けて欧州、米国、アルゼンチンの現地企業とアライアンスを結んでインクの海外委託生産を開始している。
変圧器事業では、省エネ性に優れたアモルファス変圧器を中核として、中国・東南アジアを中心にグローバル展開を加速してきた。中国では、日立銭電(杭州)変圧器有限公司(HQT)の生産力を強化するとともに、販売力強化に向けた販売網の拡充を図ってきた。
東南アジアでも、すでにフィリピンの提携企業にアモルファス変圧器のコア供給を行ってきたが、新たにタイとミャンマーの現地企業と技術提携契約を結び、当社からのコア供給による現地生産を進めていくことにしている。
一方、国内では民需向けシリーズの拡充による市場拡大をめざしている。
製品では、5月に太陽光発電用昇圧アモルファス変圧器 Super アモルファスXceシリーズを発売、8月にはスコットアモルファス変圧器を発売した。
インバータ事業では、5月にシンプル操作のエコノミータイプとして一般産業用インバータNE-S1シリーズを発売し、応用・展開機種のラインアップ強化を図った。10月には電源回生コンバータRC700シリーズを発売した。
その他製品では、4月にキュービクル一体型太陽光発電用パワーコンディショナーシステムBUY 電ゲートウェイを発売し、5月にはモートルブロックSuper Fシリーズ2.8t/5t、7月には新形電磁接触器・開閉器 HSシリーズ、9月にはUSB メモリ用ポートとEthernet ポートを標準装備したプログラマブルコントローラMICRO-EHVシリーズを発売した。さらに、2013年2月にはトップランナー規制に先行する高効率モータ ザ・モートルNeo100 Premiumシリーズを発売した。

ソリューション、新エネ・新事業分野で布石


平成24年度「省エネ大賞」を受賞したSuper アモルファスXSHシリーズ

サービス・エンジニアリング事業では、既存顧客の深耕に向けて、メンテパック、他社製品メンテナンス取り込み、PCS(パワーコンディショナーシステム)保守サービス、ワンストップサービス事業などの新規サービスを展開する一方、省エネルギーEMS・FA・自動化など制御・自動化事業の拡大を進めた。さらに、新エネルギー関連として、風力用変圧器、太陽光関連のPCS・変圧器などを開発・製品化するとともに、新神戸電機との共同開発により再生可能エネルギーの負荷変動に対応する蓄電池システムを製品化した。新事業としては、制御分野で培ってきた技術ノウハウを生かして産業用M2M 無線通信の市場開拓に注力した。
表彰・受賞・受章では、2013年1月に超省エネ変圧器Super アモルファスXSHシリーズが、平成24年度『省エネ大賞』を受賞した。
このような積極的な展開により、2012年度の業績は、売上高1,428億円、海外事業比率は20.4% と順調に伸長した。

2013年度 グローバルトップグループへ

「2015中期経営計画」がめざす「あるべき姿」

2013年3月、日立産機システムは「2015中期経営計画」を策定した。
青木社長は、2013年度にあたって、「当社を取り巻く事業環境は大変厳しい状況にある。現状維持に甘んじる意識では取り残されてしまう。2015中計で掲げた目標を実現するために成長に対する強い意欲が必要」と語っている。
2015中計では、「2015年度にめざすあるべき姿、目標ポジション」として、経営ビジョン「産業機器分野での最適『製品×ソリューション』のサプライヤーになる」「グローバルプレーヤーへのステップアップをめざす」を設定。経営目標では「2015年度 売上高1,800億円 海外事業比率30%」を掲げた。さらに、長期目標として「2020年度 売上高3,000億円、海外事業比率50% 超への挑戦」も併記した。
目標達成に向けた「成長戦略」では、圧縮機、マーキング(IJP など)、変圧器、インバータの重点4事業それぞれがグローバルトップグループにステップアップすることをテーマとし、各事業が「めざすポジション」も数値化された。
その達成には、事業体制強化による自己成長(オーガニック)、M&A を含めたアライアンスの積極展開、現地生産・サービス体制強化による循環型事業の拡大をめざすこととした。
また、高収益事業企業をめざす利益構造の変革も大きなテーマで、重点事業の拡大、サービス事業の拡大、そして、日立グループ全体で推進されている「スマート・トランスフォーメーションプロジェクト(スマトラPJ)」による業務改革とコスト削減を進め、連結経営基盤強化と財務体質向上を図ることを目標とした。

2015年度にめざすあるべき姿・目標ポジション, 経営方針・重点方針

重点4事業の取り組み

圧縮機事業では、アライアンスによる事業体制強化として、2013年9月に製品開発スピードおよびモノづくり強化を目的に、中国の上海優耐特斯圧縮機有限公司(United OSD 社)に30% の出資を行った。
また、南京日立産機有限公司でのオイルフリー圧縮機生産を開始し、国内ではサービス事業拡大に向けて保守メニューの充実を図った。
製品では、2013年10月に給油式スクリュー圧縮機HISCREW NEXTシリーズ160kW(単段インバータ機)、12月に同100kW を発売、2014年2月にはオイルフリースクリュー圧縮機DSP NEXTシリーズ15/22/37/55kW(単段機)を発売した。
マーキング事業では、グローバル市場でのIJP のトップシェア獲得に向けて、欧州市場の深耕とインクの開発力強化、製品ラインアップの充実をテーマとした。市場では、主力の食品・飲料・薬品・化粧品分野だけでなく、自動車、建材、電子部品、ケーブル分野に事業を広げるため、M&A やアライアンスによりレーザマーカ、サーマルトランスファーオーバープリンタ、ドロップオンデマンドなどのマーキング機器の自社商品化を進め、トータルマーキング事業を早期に構築することが大目標となった。
2013年度は、国内の販売店強化とともに、インドをはじめ中国・アジアの販売力強化、欧州(ドイツ、フランス)、米国(シカゴ、カリフォルニア)の販売店買収に取り組んだ。
アライアンスでは、2014年2月にスペインのレーザマーカメーカーのM社とOEM 供給契約を結んだ。日立アメリカ社(HAL)のある米国ノースカロライナ州シャーロットにインク開発・製造拠点を設立し、2014年7月の稼働、8月の量産をめざした。


United OSD 社


南京日立産機製オイルフリー圧縮機


印字検査装置MC‐20S

製品開発では、2014年1月に印字検査装置 MC-20S を発売、さらに印字検査機一体のIJP を開発し、国内、海外で販売した。
変圧器事業では、省エネニーズの高まりに応えてアモルファス変圧器を中心にグローバル展開に取り組んだ。国内では2014年の第2次トップランナー制度の導入に備えて製品力の強化とコストダウンを図り、一方で太陽光・風力など新エネルギー関連など新規市場の開拓を進めた。
海外では、大きな成長が期待できる中国市場での販売網強化を目的に、中国の国家電網との関係構築を進め、現地企業K 社に対するアモルファス変圧器のOEM 供給契約を結んだ。アジアでは、タイ、ミャンマー、韓国の現地メーカーと技術提携の交渉を進めている。

重点事業のめざすポジション

製品では、2013年8月にトップランナー変圧器Super トップランナーII シリーズをフルモデルチェンジして市場投入した。また、2014年1月運転開始の中条事業所の太陽光発電施設、3月に中条事業所で運転開始した日立製作所の風力発電設備にもSuper トップランナーII シリーズが採用されており、新エネルギービジネスの開拓で先導的な役割を果たしている。
インバータ事業は、世界市場の50%を超える欧米市場の開拓と、大きな成長が期待される中国・アジア市場の深耕がテーマ。当社の製品ラインアップの強化とともに、海外市場の販売サービス体制の強化に取り組んでいる。
2013年度は、欧州での日立ブランドの販売代理店を12社に拡大し、イタリアの販売店の連結化を実施した。さらに、Hitachi Consulting Corporation(HCC)、南米での日立ハイテクとの販売協業、インド市場開拓での日立ハイレル社(HHPE)との連携など、日立グループとの連携で幅広い取り組みを進めた。
開発・生産面では、中国の南京日立産機有限公司への製品移管による中国市場の開拓をめざし、習志野事業所から生産・品質管理の指導員を駐在させ、品質向上、コスト削減を図るなど、南京日立産機有限公司の体制強化を図った。
モータ事業では、トップランナー規制に先行し高効率対応IE3 モータ41機種を先行投入した。また、Hitachi Industrial Technology(Thailand)LTD. の海外直販を拡大すべく、専用仕様品によるセットメーカーの開拓に取り組んだ。水中モータについても生産力を向上し、月産2,000台体制を確立している。
この他、2013年5月に高効率・省エネを実現したオールインワンポンプHE Pump1.5kW 〜 3.7kW の受注を開始し、6月には回生コンバータを搭載したホイスト新製品を発売した。12月にはH-NETシンプルモニタシステムを発売した。

IoT 関連、新エネルギー関連で成果


BUY 電ゲートウェイ耐塩仕様

サービス事業では、部品事業の強化として高付加価値純正部品の開発と併せて、国内では部品統括機能の一極集中化、海外でも部品機能の強化を図っている。特に、省エネ・省資源のニーズに応えてリビルトサービスビジネスに力を注いだ。
ソリューション、新事業では、2013年7月に無線温度監視システム WirelessMonitor を発売、9月にもM2M パケット通信端末 CPTrans-EX2 を発売するなど、積極的な市場開拓を進めている。
新エネルギー関連では、FIT 市場の立ち上げを受けて、BUY 電ゲートウェイ、PCS、マイクロ水力発電用発電システムなどの拡販を行った。主な成果として、自動車精工に100kW BUY電ゲートウェイを納入した。蓄電システム用制御システムでも、早稲田大学の実証試験用としてピークシフト・カット用制御盤充放電用CS を納入した。
2013年度業績は、売上高1,539億円、海外事業比率は24.1% となった。

2014年度 アライアンスによりグローバル化を加速

中国事業の統括会社 日立産機系統(中国)有限公司を設立

青木社長は、新年度にあたって「当社を取り巻く経済情勢は、国内は政府経済政策(アベノミクス)、円安消費税増税前の駆け込み需要などで緩やかな景気回復が続いたが、海外は、低成長が続く欧州、新興国の成長鈍化、米国の量的金融緩和の縮小に伴う通貨の下落などで不透明な状況だが、国内は将来にわたって当社のベースでありマーケットの需要を着実に取り込むこと」と語っている。これに応えて、一般産業を基盤として社会インフラ事業領域に事業を広げるなど、さらなる国内事業の強化に取り組んだ。
一方、海外は、海外事業比率30% に向けて、積極的にグローバル展開を加速した。
2014年4月には、メキシコに現地法人Hitachi Industrial Equipment Mexico, SA.de C.V. を設立し、メキシコで活況を呈する日系の自動車メーカー、部品大手企業向けの圧縮機販売を強化している。
10月には、中国事業の統括会社として日立産機系統(中国)有限公司(HIEC)を設立し現地完結型経営体制の構築に取り組んでいる。これにより、中国事業の責任が明確化され、サ・販・製一体化の運営によるスピード経営が実現できる。加えて、11月には合弁販売会社 上海晟c機電系統技術有限公司設立の調印式を行い、南京日立産機有限公司、日立銭電(杭州)変圧器有限公司、United OSD 社のグループ企業と連携し、マーケティング、販売、サービス、調達にわたり中国での事業拡大を進めていった。
また、2014年11月には、香港に中国市場向けの販売会社として日立産機系統(香港)有限公司を設立した。


日立産機メキシコ


日立産機系統(中国)有限公司
新装後のオフィス風景

主要事業の取り組み

圧縮機の製品では、2014年5月に窒素ガス発生装置N2 パック NEXTシリーズVタイプを発売した。また、11月から2015年2月にかけて、給油式スクリュー圧縮機HISCREW NEXTUシリーズとして、22/37kW、7.5/11/15kW の5機種を発売している。
2014年7月に米国のIJP 用インク開発・製造拠点となる日立アメリカ社インク開発・製造施設のオープニングセレモニーを開催した。この他、インド市場開拓に向けて販売支援を強化している。
変圧器事業では、中条事業所の大型変圧器の生産体制の強化を図った。海外では、中国事業拡大に向けて自社販路の展開を進めた。
製品では、2014年4月に超高効率変圧器Super アモルファスZeroシリーズを開発、発売した。
インバータ事業では、2014年11月に中国の販売店上海晟c駆動系統技術有限公司(Sunary 社)に出資した。製品開発では、南京日立産機有限公司の開発体制を強化するとともに、日立ハイレル社との連携強化を図った。製品では、2014年4月に高機能インバータSJ700Dシリーズの受注を開始するなど、次期基幹機種の開発に取り組んでいる。
IoT 関連では、2015年2月にLTE 対応IoT/M2M 端末CPTransシリーズのラインアップを強化、発売した。


日立アメリカ社インク開発・製造施設 オープニングセレモニー


Super アモルファスZeroシリーズ
(左:油入変圧器、右:モールド変圧器)


LTE 対応IoT/M2M 端末
CPTransシリーズ

2015中計2年目として着実に実績を伸ばす

表彰・受賞・受章では、2014年11月に平成26年度『卓越した技能者』にて、多賀事業所の今泉正夫氏、中条事業所の白井成三氏が厚生労働大臣表彰(現代の名工)を受賞、2015年2月には『第28回技能グランプリ機械組立て職種』で中条事業所の五十嵐直大さんが銅賞に輝いた。
2014年度業績は、売上高1,684億円、海外事業比率は24.0% となった。

2015年度 『One Hitachi』のもと「強い産業プロダクト事業」を確立する

日立グループの産業プロダクト事業を担う

青木社長は、2014年10月より日立製作所に新設されたインダストリアルプロダクツ戦略本部長を兼務することになった。日立産機システムを含めた日立グループの産業プロダクト事業のさらなる飛躍を期すもので、当社の果たす役割はいっそう重要になった。
2015年5月には、日立グループの産業機器を手がける部署を再編・統合して、日立インダストリアルプロダクツ社が発足し、当社青木社長が同社社長も兼務することになった。まさに、日立産機システムと日立インダストリアルプロダクツ社が日立グループの産業プロダクト事業の両輪となったのである。
青木社長は「幅広い産業ニーズに応える『強いプロダクト事業』の確立をビジョンに掲げ、プロダクト単独でも勝負できる強い事業体とする。この取り組みで日立産機システムの役割はますます重要になる。『One Hitachi』の理念・価値観を共有し、力強く前進しよう」と語っている。

日立インダストリアルプロダクツ社と日立産機システムの連携(2015年4月時点)

変圧器、マーキングで積極的な海外展開


日立SEM 社設立調印セレモニー

海外展開では、2015年7月にミャンマーの現地企業Soe Electric & Machinery 社(SEM 社)との変圧器合弁会社Hitachi Soe Electric & Machinery(日立SEM 社)を設立し、10月から営業を開始した。日立の変圧器設計・製造技術とSEM 社の事業基盤を融合し、ミャンマーの電力インフラ整備に貢献していく。
米国でも、2015年7月に米国の販売会社を買収し、マーキング事業販売サービス会社 日立産機マーキングソリューションズ(Hitachi Industrial Equipment Marking Solutions Inc.)を設立した。さらに、2016年1月には、米国のマーキング、ラベル機器販売会社L.A. Supply Corporationを買収し、日立グループ会社として営業を開始している。
また、2016年1月にマレーシアの現地製造拠点の日立産機マレーシア(HIEM)に営業組織とサービス組織を設置し、サ・販・製一体体制を築いた。

主要事業の取り組み

圧縮機事業では、2015年9月に給油式スクリュー圧縮機HISCREW NEXTUシリーズ55/75kW を発売し、10月にはオイルフリースクロール圧縮機NEXTUシリーズを発売した。さらに、2016年1月にオイルフリースクリュー圧縮機DSP NEXTUシリーズ22 〜 120kW 二段機を発売し、2月には窒素ガス発生装置N2 パック NEXTUシリーズを発売した。
また、2016年2月には相模事業所にてベビコン生産300万台記念行事を開催した。
マーキング事業では、2015年5月に環境性能を向上させ、IoT に対応した産業用インクジェットプリンタGravis UXシリーズを発売した。
IoT 関連では、2015年10月にプログラマブルコントローラ リプレース支援機器Hシリーズ寸法互換ハイブリッドベースを発売、11月にはオールインワンの高機能通信端末UbiCube-GW を発表した。
その他製品では、2015年5月にキュービクル一体型太陽光発電用パワーコンディショナーシステムBUY電ゲートウェイ250/500kWを発売し、ラインアップを強化している。


相模事業所ベビコン製造部門の皆さん
(ベビコン生産300万台記念行事)


オールインワンの高機能通信端末
UbiCube-GW

スマトラPJ 推進による連結経営基盤強化と財務体質向上

日立産機システムでは、2013年度より日立グループ全体で推進されている「スマート・トランスフォーメーションプロジェクト(スマトラPJ)」改革において、スマトラ推進本部を中核として、コスト構造改革、業務プロセス改革「せせらぎ」、グローバルビジネス推進センタのもとでのグローバルプレーヤーをめざした取り組みなど、2015中計期間を通じて多面的な展開を進め、業務改革とコスト削減、連結経営基盤強化と財務体質向上を図ってきた。
今後も、グローバルプレーヤーをめざす当社の成長戦略の実現に欠くことのできないキャッシュ創出のために、さらなる活動を進めていくことにしている。2015年度業績は、売上高1,739億円、海外事業比率は25.0% となった。

「存在価値」を追求した5年間


日立製作所代表執行役 執行役副社長
(第3代日立産機システム社長)
青木 優和

設立20周年を迎えた日立産機システムの皆さんへ心から祝意を表したい。
振り返ってみると、日立産機システムの社長を務めた5年間、会長職を含めると8年間は、まさに日立産機システムの成長の期間であった。一方、ある方からは、あなた自身の成長がそれと同期しているとも言われたことがあるが、そのような機会を与えてくれた意味でも日立産機システムに対する想いは大きい。
2012年4月3日、社長に就いたばかりの私は、日立製作所の中西宏明社長(当時)に呼ばれ、「日立産機システムの存在価値は何ですか」と問われた。
ある意味普通に「伝統ある強い製品・サービスをもってお客さまに貢献すること」とお答えしたが、「それだけじゃ価値はない」と厳しく指摘された。
日立製作所執行役とのブレーンストーミング会議でも、グローバル基準での会社経営、売上・営業利益、海外事業展開などの課題を指摘された。日立産機システムの伝統と安定性に安住することなく、「あるべき姿」を必死に考え抜き、「社会価値、環境価値とともに経済価値を高める」、そのために「グローバル市場で利益を出して成長する」「固定観念を払しょくして成長事業を生み出す」「伝統的な基盤事業においても新たな事業を切り拓く」ことを目標に掲げ、全社で取り組み、全社員が成果を出してくれた。
その結果、2019年には売上倍増、利益は5倍に拡大、「成長できる会社」として認められる大きな一歩となった。
私は、2014年10月から日立のインダストリアルプロダクツ事業全体の責任者を兼務し、Sullair 社の買収などグローバルトップになるためのチャレンジも推進してきた。
今日、日立のコネクティブインダストリーズ事業において、日立産機システムの役割はいっそう重要なものとなっている。デジタル化・ソリューション展開を加えた強いプロダクトを継続的に創り出し、力強くさらに成長していくことを期待している。