株式会社 日立産機システム
株式会社 日立産機システム(取締役社長:長野 晄史/以下、日立産機)は、このたび、EtherCAT*1マスタの主要通信処理をハードウェア化した、EtherCAT通信アクセラレータボード(以下、EtherCATアクセラレータ)を開発しました。
FA装置用制御システムでは、システムの大規模化による制御対象や通信量の増加、処理の高速化に対応するため産業用Ethernetの導入が活発化しています。従来、EtherCATマスタの通信処理としてはソフトウェアマスタが利用されておりますが、システム毎にソフトウェア開発リソースが必要、制御CPUの負荷増加による処理能力低下などの課題があり、EtherCATのパフォーマンスを十分に活かせないケースがありました。
今回開発したEtherCATアクセラレータを用いることにより、ソフトウェア開発リソースの削減と制御CPUへの負荷低減を実現し、高い通信性能と信頼性を両立したFA装置用EtherCAT制御システムの開発、構築が容易になります。
本製品は、日立製作所日立研究所と共同で開発したもので、EtherCAT製品の開発、展開を進めていく予定です。
なお、本製品は、11月16日から18日に東京ビッグサイトで開催されますシステムコントロールフェア(SCF2011)の日立グループブース(西ホール2-36)に出品いたします。
EtherCATの特長の1つである、高速定周期通信(最短62.5マイクロ秒)を、ハードウェアにより自動実行可能としました。また、サーボシステムの制御に不可欠な非定周期通信(メールボックス)機能も搭載しました。これらにより、制御周期の高速化と高いリアルタイム性を両立したFA装置用制御システムの構築が可能となります。
EtherCATのもう1つの特長である高精度時刻同期(DC:Distributed Clock)機能搭載により、EtherCATマスタと対象となるスレーブ機器間で1マイクロ秒以内の同期性能を確保することが可能となります。
EtherCATアクセラレータは、冗長経路をハードウェアで自動制御することにより、1ヶ所のケーブル断線(コネクタの脱落など)時にも通信を継続することが可能となる冗長化機能を搭載しています。
高速通信が可能なEtherCATでは、本来、通信異常時の再送機能は仕様化されておりませんが、EtherCATアクセラレータではハードウエア処理による処理時間短縮により、定周期通信時間内で自動再送を可能としました。
株式会社日立産機システム 営業統括本部 ドライブシステム営業部[担当:鳫金(かりがね)]
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