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情報誌VoltAge21

お客さま導入事例 躍進する企業を訪ねて  vol.127

パッケージロール納入口に設置されたエアシャワー。上部のセンサーによりどこにフォークリフトが入ってもジェットが反応する
パッケージロール納入口に設置されたエアシャワー。上部のセンサーによりどこにフォークリフトが入ってもジェットが反応する

キッコーマンソイフーズ株式会社

“おいしい・ヘルシー・安心安全“な豆乳をつくり続ける、
トップブランドのこだわり。

飲料としてはもちろん、ヘルシーな食材として人気の豆乳は、
近年、過去最高の生産量を更新し続ける好調ぶりです。
キッコーマンソイフーズ株式会社は、30年以上にもわたって
日本の豆乳づくりをリードしてきたトップメーカー。
高いレベルで“おいしい・ヘルシー・安心安全“を実現するとともに、
幅広い商品展開で業績を伸ばしています。
今回は、同社の主力生産拠点として稼働している
茨城県五霞町の茨城工場と、豆乳づくりを支える
日立産機システムの製品についてご紹介します。

キッコーマンソイフーズ株式会社

キッコーマンソイフーズ株式会社

代表取締役社長 :
重山俊彦
設立 :
1939(昭和14)年12月
所在地 :
本社/東京都中央区入船2-1-1
茨城工場/茨城県猿島郡五霞町川妻1122
埼玉工場/埼玉県狭山市
岐阜工場/岐阜県瑞穂市
従業員数 :
330名
事業内容 :
豆乳を主とする飲料の製造、業務用食材等の製造及び販売
http://www.kikkoman-sf.jp

豆乳にかけた30年以上の実績と
多彩な商品群で、“健食健美“に貢献

定番商品から季節限定品まで
幅広いバリエーション
定番商品から季節限定品まで
幅広いバリエーション

 コンビニやスーパーなどでおなじみの豆乳。キッコーマンソイフーズ株式会社は、豆乳を主とした飲料製造において国内No.1のシェアを誇る食品メーカーです。創業時は金属加工を手がけていましたが、1983(昭和58)年に社名を(株)紀文フードケミファに変更して豆乳製造をスタート。(株)紀文ヘルスフーズより岐阜工場、埼玉工場を譲渡されて以来、30年以上にわたって業界のトップを走り続けてきました。近年はキッコーマン(株)との資本業務提携を経て2011(平成23)年に現社名となり、3年前には恵まれた立地に茨城工場が竣工しました。

 同社の主力工場として稼働中の茨城工場は、豆乳の需要拡大により、現在も設備増強中です。製造する豆乳は、調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料を含めて常時約40種類。飲食チェーン店向けの業務用豆乳も展開し、消費者が求める“おいしい・ヘルシー・安心安全“で多彩な商品群は、他社にはない強みとなっています。

※コーヒー・紅茶や果汁をブレンドした豆乳

キッコーマンソイフーズ株式会社 
執行役員 飲料供給事業部 茨城工場長  早川智 様
キッコーマンソイフーズ株式会社
執行役員 飲料供給事業部 茨城工場長 早川智 様

 「“消費者本位“が当社の基本理念です。需要が伸び悩んだ時期にはそれを好機ととらえ、原料の大豆の見直しや製造機械の改良などに取り組み、お客さまに喜んでいただく努力を続けてきました。食品を通じた健康や安心・安全、つまり“健食健美“を提供することと、環境面を含めた地域社会への貢献がわれわれの使命だと考えています」と語るのは同社の執行役員で茨城工場長の早川智様。

 伸び続ける需要に対応するために建設された茨城工場は、生産と物流の拠点として期待も大きく、現在の2系統の生産ラインは将来的には5系統への拡充が計画され、さらなる発展をめざしているとのこと。

 「“おいしい記憶をつくりたい“のキャッチフレーズを掲げ、『食文化の国際交流』をモットーに、日本のすばらしい食文化を世界に広めるとともに、世界の優れた食文化を日本に紹介してきたキッコーマングループの一員として、豆乳の海外進出も視野に入れ、食文化の国際協力を進めていけたらと思います」と、早川様は未来を展望されています。

「食」と「働く人」の安全、「環境」に配慮した
茨城工場の“おいしさ”づくり

キッコーマンソイフーズ株式会社 飲料供給事業部 茨城工場
製造部長  葵守一 様
キッコーマンソイフーズ株式会社
飲料供給事業部 茨城工場
製造部長 葵守一 様

 大豆を旧穀から新穀に切り替えただけで、お客さまはその味の違いに気づくといいます。この繊細な豆乳をつくるため、茨城工場では食品安全・衛生管理の追求ははもちろんのこと、働く人の健康・安全衛生、環境保全の3つの視点で工場を経営。食品安全に関するFSSC22000、労働安全衛生に関するOHSAS18001、環境に関するISO14001の3つの国際認証規格を取得し、そのレベルアップに取り組んでいます。そのなかで日立産機システムの製品が貢献しているのは、大切な工場内の清浄度を維持すること。

工場内は徹底したクリーン度を誇る
工場内は徹底したクリーン度を誇る

着衣の埃をたたいて落とす
フラッタージェットノズル
着衣の埃をたたいて落とす
フラッタージェットノズル

1リットルタイプの製造ライン
1リットルタイプの製造ライン

 「豆乳づくりでは原料の抽出・調合、紙パックへの無菌充てん工程をはじめ、すべての工程でクリーンな環境が実現されていますが、外から衛生区域に入る従業員とモノを確実に除塵するためには、エアシャワーが欠かせません。そこで当社の埼玉工場ですでに実績のあった日立産機システムのエアシャワー採用を、工場の建築計画段階に決めました。気流を変化させて短時間で広範囲のホコリを払うフラッタージェットノズルの機能に注目したからです」と、製造部長の葵守一様は導入の経緯を紹介されました。

 さらにエアシャワーの導入にとどまらず、独自の高い除塵目標を達成するためのエアの吹き付け時間を探るため実証実験を重ね、日立産機システムの技師もお手伝いして目標値を満たすための吹き付け時間をカスタマイズ設定。導入後も定期的な検査のもと、清浄度を保っています。

 「エアシャワーの吹き付け動作時間を工夫するとともに、すべてのゾーンの出入り口にエアシャワーを設置し、そこを通らないと別のゾーンに行けないようにしているので、従業員は意識することなく除塵を実行していることになります」と、葵様。

 エアシャワーはオートドアタイプ、製品パレットの幅に合わせた大型タイプ、従業員用など計13台が導入され、工場全体の清浄度維持に貢献しています。

 また豆乳に使われる水の供給ラインにおいては、日立産機システム製のポンプ8台が生産を支えています。

人員と設備の増強に活気づく工場で、
さらなるおいしさと安全性を追求する

キッコーマンソイフーズ株式会社
飲料供給事業部 茨城工場
環境保全グループ
矢木野丈 様 (左)
経営企画部 商品企画グループ
不破晃 様 (右)
キッコーマンソイフーズ株式会社
飲料供給事業部 茨城工場
環境保全グループ
矢木野丈 様 (左)
経営企画部 商品企画グループ
不破晃 様 (右)

 さらなる発展に向けて設備が増強され、豆乳づくりにかける人々が集い、日に日にモチベーションが高くなっているという茨城工場。「工場はチームです。それぞれの部署の力を掛け合わせることで成り立っているので、どこかの部署の力が低下すれば、他の部署がどれだけ頑張っても全体の力は低下してしまいます。だから従業員が元気に健康で、仕事ができる環境づくりに取り組んでいます。会社を支える茨城工場を、自分たちでつくっていくんだという思いです」と、早川様の工場づくりへの情熱も高まっています。

受水槽から水を汲み上げる 日立製ポンプ
受水槽から水を汲み上げる
日立製ポンプ

ポンプに組み込まれた 日立製インバータ
ポンプに組み込まれた
日立製インバータ

製造棟の入り口に設置されたエアシャワー
製造棟の入り口に設置されたエアシャワー

 近年は、牛乳を豆乳に置き換えたおしゃれな『ソイラテ』や、ヘルシーメニューへの利用でますます需要の伸びが予測される豆乳市場。「さらなるおいしさの追求とともに、幅広い顧客層に対応した商品企画に注力します」と、意欲を述べられるのは商品企画担当の不破晃様です。環境保全担当の矢木野丈様は、「キッコーマングループ全体でCO2削減に取り組んでいることから、日立産機システムさんにもご協力いただきながら当工場の環境負荷のさらなる低減をめざします。特約店の瑞穂さんには、工場の建設でもお世話になりました。ラインの増設では、これまでの経験を踏まえてさらなる省エネ提案をお願いしたいですね」と、意欲を語られました。「私たちの工場は、進化の歩みを止めることはできません。エアシャワーについても静電気除去や操作の簡略化など、より未来型の機能開発を期待しています」と、葵様からは期待のお言葉をいただきました。

 「耐久性やメンテナンスのコストなどの面から日立産機システムさんの製品を信頼して使わせていただいています。将来的には食品の安全衛生管理の水準はさらに高まるでしょうし、設備更新もありますので、その時には私たちの希望や要求を満たすようなアドバイスをぜひいただきたいですね」と、激励のお言葉もいただきました。

 日立産機システムは皆様の言葉を胸に刻み、今後も環境と省エネにさらに貢献できるように励んでいきます。

日立産機システム 製品関係者 インタビュー